2009年03月03日

牛は「草食動物」であって「穀食動物」じゃないよね!?

 そう、そうなんですよ。先日の日記にも書きましたが。

 同じ「植物性」といっても、「穀物」と「野菜(草)」と「果物」では消化のシステムが全然違うんですよね。(あと「豆」とか「木の実」とかもありますけど)

 で、牛というのは本来「草」を食べるものであって、「飼料」を食べるものじゃないですよね。人間の胃が「野菜」を食べるのと「穀物(しかも加熱)」を食べるのとではこんなに違うのに、それでいいのかしら? という疑問が浮かんでたんです。
 そこに出てきたこの映画、『キング・コーン』。『スーパー・サイズ・ミー』『ファーストフード・ネイション』に並んで、現代アメリカの食事情に迫るドキュメンタリーです。

 公式サイトは
http://espacesatou.blog84.fc2.com/blog-entry-21.html
 ですが、こちらのサイトでめちゃめちゃよく解説してあります(もう私が書かなくていいぐらいです)
http://takumi21.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_8e2a.html

 映画評論家の町山智裕さんが、「とうもろこしの映画なんてどこが面白いのかと思ったらすごく面白かった」と書かれていらっしゃいますが、
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20071113
現代アメリカ(&日本)の食生活を作っているのは実は「とうもろこし」なんですね。それも、生食することができない、乾燥用のとうもろこし。
 
 イエール大学の卒業を前にした優秀な学生ふたりは、あるときひょんなことから自分たちの髪の毛を成分測定にかけられ、「とうもろこし成分が検出された」といわれて驚きます。
 
 たとえばファーストフードの食事。それらのほとんどがとうもろこしでできているといっても過言ではない。牛肉とチーズはとうもろこしを食べた牛で作られるし、フレンチフライのカロリーの半分以上はコーン油からくる。清涼飲料水の甘みは砂糖ではなくコーンシロップ(高果糖液糖)でできている……。

 それらの成分がめぐりめぐって人間の髪からも検出されちゃうんです。
 
 興味をもった学生ふたりは、実はおじいちゃんの故郷であるアイオワに行って1エーカー(4047平米)の畑を借り、1年間コーンを作ってみようとするのですが、
 コーン作りで1番大変だったことは何か?

 それは、書類申請。
 お役所に書類を一杯出すの。(なんのためか?)

 そして面倒な書類手続きがすむと、遺伝子組み換えのコーンの種と化学肥料を買うようにいわれる。

 「アイオワでコーンを育てる」と聞いて母親がせんべつに園芸用手袋をくれるんだけど、そんなの1度も使わないの。
 トラクターを借りると、31000万粒の種が、なんと18分でまけてしまう。
 芽が出てもやることなんてない。初心者の畑でもずんずん伸びる。遺伝子組み換えで虫をよせつけないから。

 そんなふうにして収穫したコーン(4350万キロもとれる! 1エーカーで? 一応資料の通りに書きます)。は、しかし売値は驚くほど安い。収支は赤字。ではどうやって農家が生活しているかというと、政府からの補助金。役所への書類はそのためだったのです。

 とうもろこしは安いから食肉(もはや「酪農」とはいわない)農家が買う。超高カロリーのえさと運動不足の牛は通常の数倍のスピードで育ち、しかもその肉は脂肪分タップリ。このような肉が市場に出回っていく。

 あまったとうもろこしは、コーン油や、コーン・シロップの材料に回される。コーン・シロップは砂糖より安く(キューバ危機でサトウキビが供給できなくなったときからアメリカ市場に出回り始めた)、炭酸飲料水にはほとんどコーン・シロップが使われている(「果糖ぶどう糖液糖」と書いてあるもの)。ちなみにふたりがコーン・シロップを作る工場を見学しようとするとたて続けに断られ、ふたりはキッチンで作ろうと試みる。
 コーン・シロップの普及と二型糖尿病の発生率はみごとに比例している。

 というように、そこまででもいろいろ知らなかった問題が明らかにされるのですが…。

 さて、本来は草を食べている牛がとうもろこしの飼料だけを食べると、胃が強烈な酸性になって胃に穴があいてしまうのだそうだ。
 映画の途中、動物病院で実験のために飼われている牛が登場する。この牛は、上記の理由で胃に穴があいていて、しかも実験のために皮膚から穴があけられているので(おい)、医者は外部から手をつっこんで、胃の中の内容物を取り出すことができる。すると、穀物飼料ですっかり「つまった」内容物が出てくるのだ。。。

 さて、映画の終了後、評論家は映画会社の人といろいろお話をします。

「石塚さん、映画、どうでしたか?」

「えーっと、実は今私、ローフードっていう本を書いていて、それはこれこれこういうもので、ピキピキピキ(テープが早回しされる音)、人間の胃もね、本来食べるべきものじゃないものばっかり食べていると、内容物がうまく消化されなくて、あの牛と同じ状態になってるんだよ〜

映画会社の人
「ひ、ひえ〜〜〜、映画の内容より怖い〜〜」

 
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posted by tomo_ishizuka at 23:10| Comment(8) | ローつれづれ雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
牛の非人道的(?)な扱いは、知ってました。でも、ここまでなんて。

ああ、私、もうお肉食べないです!(自分では、絶対買わない。出されたら?仕方ないですねぇ^^;)

ためになる話をありがとうございます。
Posted by うさぎもち at 2009年03月03日 23:32
初めてコメントします。
実はいつも一桁か二桁の来訪者しかいない私のサイトに昨夜から怒涛のような来訪者が・・・
調べてみるとこちら経由の方ばかりでした。
ありがたいような、驚くような・・
何より私の記事をお褒め頂いて恐縮です。

まずはお礼まで。
Posted by たくみ at 2009年03月04日 12:38
石ともさん、こんにちはー。
そうそう、お肉だけじゃなくて、ミルクも、日本のミルクは草の香りがしないもの。草なんか食べてないから。
映画の公開、楽しみです。
ピキピキピキに受けてしまいました。
ではまた。
Posted by ぺんぎん at 2009年03月04日 13:38
石ともさんこんばんはー。
牛にまつわるお話は、いろいろ聞きますし、
どれもこれも「げっ」なものばかりで。
でも、まだ完全に肉類をやめてはいない私なのですが。
以前よりも、だいぶ「食べたい」という気持ちが無くなってきました。

ところで、タイトル読んでふと思ったのですけど、
人間って、「肉食動物」「穀食動物」「菜食動物」の、本来はどれなんでしょうね。
現状では世界ほとんどの国で平均してミックスかなーと思うのですが、
「では、どれか一つだけで体を維持出来るかどうか」
と考えたら、まず最初に「肉食」はアウトのような気がしますねー。
日本人として歴史を考えると、どうも「穀食」に向きがあるのかな?と思ってしまいますが、
ローで元気に過ごしている石ともさんを見ていると、現代人は「菜食」が一番向きがあるのかも、と思います。
Posted by kazue at 2009年03月04日 21:48
>たくみさん、

初めまして、勝手にリンクさせていただきましたが
たくさん興味深い記事を書いていらっしゃるので
私も読ませていただきたいと思います。
ローフードは、現在の健康・環境問題に
たくさんのオルタナティブに満ちていますので
ぜひ興味をお寄せくださいね。

>ぺんぎんさん、

ぺんぎんさんの投稿を読んで、「ハイジ」の原作
(かなり全訳に近い)で、ハイジの住むアルプスに
行ったクララが初めて山羊の乳を飲むシーンを思い出しました。
「フランクフルトの牛乳とはまるで違う」
「ハッカとニッキが入っているように感じる」
と書いてあって
「ミルクなのにハッカとニッキ(シナモン)が入っているとはなんぞや?」と
子どもの頃に思ったもんですが(岩波少年文庫版です)
つまり、山羊が「ハーブ」を食べているということなんですねえ。
うーん、今思い起こしてみるとおいしそう。
それなら飲めるかも。
Posted by 石とも@管理人 at 2009年03月04日 22:04
>うさぎもちさん、
>kazue さん、

村上春樹の「日出ずる国の工場」
(彼がいろんな工場見学する、もう20年ぐらい前かな? 朝日文庫です)
の中に小岩井農場に行くのがあるんですが、
農場の人に
「(牛は)経済動物ですから」といわれて
その単語に妙に納得するシーンがあるんですよね
(その章のタイトルは「経済動物たちの午後」)
というわけで「経済動物」なんですよねー、経済動物。

人間は「穀食」でも「菜食」でもなく「果食」だったと
いわれていますね、ナチュハイ的には。
おもしろいですね。あんなにおいしいのに
牛は果物に見向きもしないのね(馬はりんごが大好きだけど)

Posted by 石とも@管理人 at 2009年03月04日 22:19
ぺんぎんさんの投稿のチーズの話で、思い出したこと。

フランスに、冬と夏に、3週間ずつ滞在したことがあります。オーガニックとかにこだわってる友人のうちに泊まったので、友人はマルシェの美味しいチーズやさんで買ったものを沢山食べさせてくれました。

確かに、同じチーズでも、冬と夏で、全然味が違って、とても驚きました。

冬は、「寒いし、脂肪ためなくっちゃねー」て味で、夏は「わーい、青空気持ちよくて、夏草たくさん食ってまーすv」て感じの味でした。冬はまろやか、夏は酸っぱかったです。ヤギとかでなくて、牛のチーズでも。

もともとチーズをあまり食べる人ではなかったのですが、美味しいものを食べてしまったので、日本のチーズはさらに食べれなくなりました(笑)そっか、そういうわけで、年中一緒で、なんか、「新鮮」て感じがしない味だったんですね。納得です。
Posted by うさぎもち at 2009年03月06日 00:12
映画の告知から、何で映画の紹介なの?なんで映画関係者の知り合いが?と思っていたらもともと映画評論家なんですね。全然知りませんでした。単純にプロフィールをちゃんと呼んでなかっただけです。

牧草、乳牛、季節で味が違う牛乳、で思い出しました。

島根県で若い方が自然放牧で牛乳を作る会社を作ったと言う話をNHKの「一期一会」という番組でで見ました。

牧場のHP
http://www.sixth-produce.co.jp/

ここの牛乳は本当に飲んでみたいです。ベジタリアンでも生産ポリシーに共感できると思うし、ローフーディストなら低温殺菌だしローフードとしても大丈夫では?

すごい情熱と、信念を持っているんだけどエネルギッシュに見えない方です。こんな方がいるんですね。

怖い話を聞いた後だとこの牧場の牛たちの姿にほっとします。
Posted by Toshiyuki at 2009年03月07日 16:14