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2022年01月31日

「パリのマクドナルドから」(食べもの)   vol.006(通算352 )

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今回の内容が役立ちそうなのは、

・旅行記を読むのが好きな方
・食べものの話に興味のある方
・パリに興味のある方
・著者のふだんの暮らし(奮闘?)を共有してくださる方
・ちょっとキュンとくる話(にするように頑張ります)が好きな方

です。

というわけで、今回はパリのマクドナルドのお話です。

わたしは、パリに行くと、かなりしょっちゅうマクドナルドに行っています。

というか、話の最初のところを書くと、
わたしが、「将来フランスに住みたい! 住もう!」
と思ったのは、2011年、東北大震災が来る直前のお正月のことです。
学生のとき以来20ウン年ぶりにパリを旅行して、
そこに流通する食べものの量と質、
とくに、新鮮でおいしくて価格が安い野菜とくだものに圧倒されました。
「ここで毎日野菜とくだものを食べたら、何十年かたったときに、
積み上げた人生の質がものすごく変わるだろう」
と自動的に思わされました。

現在が2022年なので、それから10年かけて、少しずつ形になってきました。

しかし、最初の頃は、いざ、その地に降り立っても、
思い通りに行動できません。
そもそもパリは宿泊費が高いし
(パリは不動産が高いところなので、賃貸、ホテル、コワーキングスペースなど
不動産に根ざしたビジネスはすべてとても高いです)、
地方をあちこち回ったりしていたのですが、
そこまで行くにも、パリの駅を通過しなければなりません。

当時は今ほどインターネットの電波が普及していません。
海外持ち出し用のポケットwi-fi のレンタルも、2012年頃だと
まだサービスがなかったんじゃないかな?
そうだそうだ、パリの新聞スタンドに行くと、パリ全20区の通りを
書いた紙の地図を売ってて、わたしもそれを買ってました。

そんなときに、当時、もっとも信頼できる
強いwifi を提供してくれたのが、マクドナルドだったのです。

店の前に行けば、wi-fiが拾えました。
だから、空港を出て、郊外電車(成田から京成線があるように、在来線があります)
に乗ってパリ市内に着くと、まずマクドナルドの前で電波を拾って、
日本でやり残した仕事がないかメールチェックをしてました。

ときがたって、街には電波が普及し、
わたしもパリにアパートを賃貸することに成功したのですが、
このアパートは、騒音がかなりすごいのです。
ていうか、入居してわかったのですが、
窓がちゃんと閉まりませんでした(!)
今でもちゃんと閉まらなくて(!!)、自分でDIYショップに行って、
すきまを埋めるテープを買ってきて張りまくってあるのですが、
それで騒音が防げるはずもありません。
仕事するのがきついので、
パリにいるあいだは、カフェやコワーキングスペースを
彷徨い歩く生活をしていました。

そんなときに、頼りになるのもまた、マクドナルドだったのです。

パリには、テレビや映画に出てくるような昔ながらのカフェが50mに1軒ぐらいあるし、
スターバックスもあるし、他の、電源がいっぱいついてるカフェのチェーン店も
ありますが、
個人経営のカフェは仕事をするという雰囲気じゃないし
(昼からワインを飲んでおしゃべりするところだし、喫煙者が多い。
電源は貸してくれるので粘ってる人もいます)
スタバやチェーン店のカフェは飲食の価格が高いし、
パソコンを持った同じような考えの人々で、いつも混んでいます。
コワーキングスペースは、いつか話題にしたいと思いますが、
ほんとにほんとに高いです!
その中で、wi-fi が強く、座席がたくさんあり、飲食の値段も安く、
長時間いてもほっておいてくれ、
さらに言えば、入り口に黒服のセキュリティが立ってるので、
盗難などの心配がをひとりでしなくてもすむ
マクドナルドは、とても強い味方だったのでした。
数時間、ポテトやナゲットの油のにおいを我慢することも
なんのその、です^^

食べものを食べる気にはならなかったけど、
フランスのマクド(フランス語では関西風に「マクド」と呼びます)の
温かい飲み物は、さすがおフランス。
エスプレッソ系の飲み物が豊富です。
スタバに対抗してか、カフェモカやホイップクリームを浮かべた飲み物もあります。
そのカフェをちびちびなめながら、キーボードを叩いてました。

そのうち、マクドナルドに行くのが楽しくなりました。
わたしは、パリに来てもそんなに知り合いもいないし、
社会に深く食い込んでいるわけじゃないから、誰かとふらっと
カフェに行ったりすることはありません。
でも、マクドナルドに行くと、とってもいろんな人達が見られます。
日本と同じで、若い人たちのグループが目立ちますが(とくに深夜)
家族もいるし、カップルもいるし、
それから、パリのふつうのカフェみたいに、
ひとりでエスプレッソを飲みながら紙の新聞を読んでるおじさん
なんかもいます。
数は多くないけど、わたしと同じようにノートパソコンや
学校の参考書を持ち込んでマーカーをひいている
学生なんかもいます。

そんなわけで、人々を眺めるうちに、しみじみ思ったのは、
「マクドナルドに食事をしに来る子どもほ、なんと嬉しそうなんだろう」
ということです。
これはほんとに例外がないです。
トレイに載せたハンバーガーを持って、
お父さん、お母さん、もしくはその両方に連れられて、
ワクワク目を輝かせながら座席にやって来ます。
いろいろな肌の色、民族の子どもが、みんな同じように
目を輝かせているのも、感慨深いです。

フランスのバーガーチェーンは「マクドナルド」と「バーガー・キング」の
2つですが、(バーガーでなければケンタッキーもあります)
バーガー・キングにも家族連れはいるけどあのワクワク感は感じないんだけど、
気のせいかな〜。

とくに、わたしは、「一緒にハンバーガーを食べてるお父さんと子ども」を
見るのが好きです。
なんか、お父さんも「子どもとマクドナルド・ハンバーガーを食べる幸せ」
がにじみ出てる気がするんですよね。
若いお父さんたちは年代的に当然マクドナルド・ネイティブだから、
自分が小さい時から食べてる味を子どもと食べられるのは嬉しいのかな。

ずっと前に、新自由主義経済の闇に迫るドキュメンタリーで
なぜマクドナルドは子供向けにおもちゃをつけたセットを販売するのか、
に迫っていました。庭に遊具のあるマクドナルドもありますよね。
それは、所得が低く、ほかに子供を遊びに連れて行く余裕もない、
とくにひとり親にとっては、
マクドナルドが食べものにおもちゃをつけてくれ、遊び場所も
つけてくれるのはとても助かるから、そういうお客さんを逃さないように
している、という内容でした。
そうやって、通っているうちに、「マクドナルド=親と食べた味」
というのが刷り込まれ、ずっと通ってくれるようになる、と。

それは確かにそうだろうな、と思います。
それから、他のスナック菓子会社の人から、
「子供のうちから、いかに弊社の味を好きになってもらうか」に
その会社が多大なエネルギーをかけている、という話も伺ったことがあります。

スナック菓子とか、ファストフードばかり食べていたら
そういうものが「ないといられない体質」になっていたら、
栄養バランスが崩れるだろう、とは思います。
あと、清涼飲料水も。

しかし、あの子どもたちの幸せそうな顔は、
そうした懸念を超越している気がする…。
とくにフランスは、他の外食費がとても高いので
(日本で言う「ファミレス」に当たる価格帯のレストランが皆無。
1つだけ知ってます。いつか紹介しますね。個人経営のレストランは
客単価が昼20ユーロ=2700円、夜35ユーロ=5000円ぐらいです)
家族4人で行ってもお財布がいたまないマクドナルドは
子供はワクワク、親はほっとして外食できるんだろうな、ていうのはわかります。
親がリラックスしてたら、子どももリラックスできますよね。

なお、そのマクドナルドでさえ、安めのセットメニューが10ユーロ(130円換算で
1300円、為替手数料が入るからさらに3%ぐらい高い)ので、
日本のマクドナルドの倍近い値段です。
ダブルベーコンチーズバーガー、単品で1500円します
https://www.prixmenu.com/prix-menu-mcdonalds-france/
わたしがおいそれと食べる気にならないのは、栄養の問題とか、だけではないです。

というわけで、ときどき聞かれる
「パリで何をしているんですか?」という質問の答えの一つが、
「パリのマクドナルドでエスプレッソを
ちびちびなめながら、
幸せそうな家族がハンバーガーにかぶりつくのを
眺めている」です^^


なお、今はきっと世界中そうだと思いますが、
マクドナルドでの注文はパリでもタッチパネルで、写真のとおりに選んでいけば
食事にありつけます。
トップ画面で言語を選ぶことができ、日本語もあったはず。
フランス語で注文する場合、
フランス語でmenu (ムニュ)は、英語で言う「メニュー」ではなく
「セットメニュー」のこと、「バーガー単品」のことは
「バーガー」または「サンドウィッチ」と言います。
ベジメニューもありますし、
グリーンサラダは2ユーロ50セントでかなりたっぷり
レタスが入っています。ご参考まで。

パリには、個人経営のバーガー屋さんもたくさんあります。
いつかまたお伝えします。

【本日のまとめ】
マクドナルドで食べてる子どもは、幸せそうだ(それだけのために長文失礼しました)。

今日はここでおしまいです。
ご愛読いただきまして、まことにありがとうございました。
次回も楽しみにしていただけましたら、嬉しく思います。



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posted by 石塚とも at 22:31| 「野菜くだもの通信」バックナンバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月21日

「ふじとサンふじ」(食べもの)   vol.005(通算351 )

りんごのお話を、前回まででだいたい書いたのですが、
今回はちょっと補足です。

りんごのコラムを書き始めてから、
「書いてること、これであってるかしら?」とか
「ほかにおいしいりんご、ないかしら?」とか思って、
いくつかりんごを買って食べてみました。

それで、このたび初めて食べたりんごが、「サンふじ」です。

言われてみれば、最近たしかによく聞く名前になってきました、
わたしは「ふじ」があんまり得意ではなかったため、
今まで完全スルーでした。
しかし気づくと、「サンふじ」は、今、首都圏ではもっとも
人気のりんごになったような感じがします。
今、手元のuber eats で直近のスーパーを検索すると、
検索1番手の「成城石井」も2番手の「ローソン100」でも、
扱っているりんごは「サンふじ」です。
(成城石井は「紅玉」も扱ってたのでその話はあとで)。

ここであらためて「ふじ」と「サンふじ」、
どこが違うのか?

答えは、「袋をかける」のがふじで、
「袋をかけない」のがサンふじ、だそうです。
袋をかけないで太陽に当てるから「サンふじ」なのですね。

一つひとつ袋をかけるって、大変な作業ですが、
当初の目的は「害虫から実を守る」
そして
「見た目を美しくする」、さらには
「糖度を下げることで」
「貯蔵期間を長くする」
という効果があるのだそうです。
昔は今ほど果物のバリエーションがなかったから、
貯蔵がきくりんごは、長く市場に流通させたかった、
ゆえの知恵だったのでしょう。

袋をかけないのは、「自然に育てる」というより、
次から次へと旬の果物が出るし、
前の号で書きましたように、以前なら貯蔵していた国産りんごが
流通していた時期に、輸入りんごもやってくるわけです。
そういうわけで、流通期間は短いが、味の濃いりんごが
流通量が多くなってきた。

「サンふじ」だけでなく、
「サンつがる」とか「サンジョナゴールド」とか、
「サン」がつく名前は無袋りんごだそうです。

「サンふじ」は、わたしの実感としては、
甘さと同時に酸っぱさも強くなっているように感じます。
味の濃いりんご。
そして、わたしはあまりこだわらないのですが
「蜜」もしっかり入っていることが多いそうです。
わたしが買ってみた「さんフジ」も、しっかり蜜が入ってました。

さて、上にも書きましたが、成城石井で流通していたりんごが
「サンふじ」と並んで「紅玉」だったのは、
やっぱり消費者は酸っぱさ回帰してるのかな?

これも、昔と違って、今は「甘いもの」の選択肢がめちゃめちゃ
広くなった時代なので、果物にいたずらに甘さを求める時代
じゃないのかもしれません。
いや、お菓子作りのためのりんごが人気で、
紅玉買ったらばっちり入れてアップルパイ作っちゃうのかもしれないけど。

ためしに「紅玉」も食べてみましたが、
「酸っぱいりんごが好き」と言ったわりには、
その酸味の刺激が強い感じで、
生で食べるなら「サンふじ」と思っちゃいました^^;
でも、焼きリンゴは、またやってみたいです。
りんごのペクチンは加熱すると増えるので、
ペクチンとりたいなら焼きリンゴ、です。

旧約聖書でイヴがアダムに食べさせた果実は
「善悪を知る木」であって「りんご」という記述はないのですが、
実際はりんごの実として描かれることが多いですよね。

ヨーロッパ世界に「伝統の食べもの」「おふくろの味」と
言われている食べものはたくさんありますが、聖書の世界から
存在するものはそんなに多くありません。
イタリアを席巻する「トマト」ドイツ、フランス、イギリス、北欧など
北の方に広がる「じゃがいも」、いずれも大航海時代以降に
新大陸から持ち込まれた食品です。
とうもろこし、とうがらし、かぼちゃやズッキーニ、いちご、ココアなども
そうです。
スパイスはインドやアフリカから来たわけだし、
これらがない時代のヨーロッパの食事って…、わー、つまんなそう(笑)。

りんごはヨーロッパ原産だけど、
ただし、人が移動するようになった16世紀ぐらいから、
原産地のコーカサス地方から持ち込まれたようです。
聖書の時代には、なかったのね…
(その頃ヨーロッパにあったものって、もはや小麦とぶどうだけ??)


りんごの種類の中でもっとも酸っぱいりんごに
「グラニー・スミス」というのがあります。
日本語でいうなら「青りんご」、つまりみどりのりんごです。
生でかじると、レモンなみに酸っぱいです。
ゲルソン療法では、にんじんジュースに混ぜるために推奨される
りんごです。
砂糖を加えなくても、加熱すると、糖度が6台から11台に上がると言われ、
だから加熱調理、中でもアップル・パイに最高と言われます。
「グラニー・スミス」とカタカナで検索を入れると、
銀座や青山に店舗があるアップルパイの専門店が上がってきます。
「グラニー」というのは「おばあさん」という意味なので、
文字通り、スミス家のおばあさんによって開発されました。
この、スミス・おばあさんは、オーストラリアの人です。
りんごは、16世紀にコーカサス地方からヨーロッパにやってきて、
トマトやじゃがいもとは逆に、すぐに新大陸に出ていきました。

「アップルパイ」はアメリカ人の大好きな食べものと言われるし、
マドンナのヒット曲「アメリカン・パイ」とは女の子を指すのですが、
"Mr. Apple Pie America" (非常にアメリカ的な男性)に対する造語なんだとか。

オレンジと同様、船乗りたちのビタミンC不足の解消にも役立ったことでしょう。
スチーブンソンの『宝島』で主人公のジム少年は、
甲板にあるりんごの樽の中で、シルバーたちの海賊計画を
聞いてしまいます。

そんな歴史のふる〜〜〜〜〜い果物を、わたしは、
あっち、こっちと移動しながら、そのビタミンと
甘酸っぱさと食物繊維に助けられているのであります。

りんごのお話は、これでおしまいです。

次回「キャベツ」の話を書こう、と思ったけど、
ほかにもたくさん食べものの話(それ以外の話も)あります。


今日はここでおしまいです。
ご愛読いただきまして、まことにありがとうございました。
次回も楽しみにしていただけましたら、嬉しく思います。

拍手・ご意見・ご感想フォーム
http://rawbeautyjapan.seesaa.net/category/11828186-1.html

posted by 石塚とも at 17:22| 「野菜くだもの通信」バックナンバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月16日

「品種」(食べもの)   vol.004(通算350 )

こちらの記事は、メルマガ『ロービューティジャパンの野菜くだもの通信』からの
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楽しみに読んでくださる方はこちらをお待ち下さい。

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ロービューティジャパンの野菜くだもの通信

「品種」(食べもの)   vol.004(通算350 )

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みなさまこんにちは。

「ロービューティジャパンの野菜くだもの通信」に
お付き合いいただきまして、ありがとうございます。
筆者石塚ともの日頃の体験から、著者の皆様にも
なんらかの気付きがあれば幸いです。
ブログのメルマガ版、という感じです。

メルマガの独立版、デザイナーさんにお願いして
作っていただいています。
でき次第、ご案内いたします。
また、バックナンバーはブログにアップされますので、
ご自分のペースで気が向いたときだけ読みたい、という方は、
ブログをご活用いただければ幸いです。

だんだんペースを掴んできましたが、
前回、りんごのお話を完結させられずに
終わってしまったので、今日はその最終回です。

https://smartagri-jp.com/management/421?page=1

こちらの、りんごの「クラブ制」の記事が大変参考になったのですが、
「ジャズ」に先がけて「クラブ制(著作権を管理し、世界中でその品種の生産が
切れ目がないようにする」で品種の展開を始めたのが「ピンク・レディ」だそうです。

自分の好みの味が、どちらも「クラブ制」ド直球、
迷わず2つともそれを選んだと知って、
わたし、ちょっとギクッとしたのです。

著作権を管理してまでしっかりビジネスを構築しようという
品種ですから、味も、消費者の好みを徹底的に研究しているのでは
ないかと思います。
わたし、その、「消費者の好みを研究し尽くしたりんご」に
ストライクやられちゃったんだわ、と。
まあ、どうやら、りんごのマーケティングは
スナック菓子なんかと違って、
極端に強い味、刺激が強い味、というわけでは
ないようですが。

それに、今あるりんごのほぼすべてが、人の手によって生み出された
品種でしょう。
https://ao-mori.com/apple_varieties/12
こちらの青森りんごのサイトによると、
日本だけで2000種類、世界中では15,000種類あるとか。
最近、小麦のグルテンの害の話をするときに、
「今の小麦は品種改良が進みすぎて、
昔の小麦とは似ても似つかぬものだ」
というような言葉を聞くことがあるのですが、
それは小麦だけの話だ、と考えるほうがむしろ不自然で、
すべての作物は人間の好みの形に変えられすぎて
原種とはもはや似ても似つかぬものになっているのでしょう。

種をつかさどるのは神なのか?人なのか?
「ローフード」という食べ方を自分の生活に取り入れたときから、
そんなことをよく考えます。
自分の好みの形に改良した上で、さらに加工して、箱に入れて売って、
電子レンジでチンして食べている。
そんな形に進んできた、わたしたちの食生活。

しかし一方、せっかく改良した品種を、
勝手に持ち出されて商売されるなんていうのはおかしい、
自分のところの畑のスイカや牧場の羊を盗んだら犯罪なんですから、
種を持ち出したり、精子や受精卵を持ち出すのは犯罪だ、
という論法も至極もっともです。
そこまで作り上げるまでに何世代も手間暇かけて育成するわけですし。

https://smartagri-jp.com/management/421?page=1
こちらの記事で紹介されてますが、
「ふじ」が1962年に日本の技術者たちによって世に出たとき、
訪れた海外の関係者たちが「こりゃすごい」と枝を持ち帰り、
世界中にあっというまに広まってしまったのだとか。
わたしはアメリカとオーストラリアとフランスしか見たことがありませんが、
たしかに、FUJIの地位というのは、堂々たるものがあります。

当時は「著作権、版権、肖像権などは資産である」なんて考えは日本に根づいておらず、
ミッキー・マウスやピーター・ラビットの権利が厳しく
管理されていることに、日本人はついていけなかったのです。
2021年3月現在日本でいちばん売れたシングル盤である
『およげ!たいやきくん』を歌った子門真人さんは、1975年の発売当時
印税契約をしていなくて吹き込み料の5万円しかもらえなかった、
という話が出回って、日本人はちょっと「形のない権利」というものの存在が
ぼんやりと見えたと思います。

最近、話を遡るとすぐ古い話になってしまって、
自分も「昔は〜」と話す年代に突入したなあと思っているのですが、
今は動画サイトや配信サービスのおかげで、懐メロの話をしても、
そんなにきょとんとされる話じゃないらしい。
なので、ちょっと披露させていただきました。
参考
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%92!%E3%81%9F%E3%81%84%E3%82%84%E3%81%8D%E3%81%8F%E3%82%93

さて、りんごの話に戻りますが、
しゃきしゃきしたりんごはおいしいですが、
みなさんは、ふかふかのりんごでも食べられますか?
わたしは、もう絶対にダメ。
一口かじって「あ! 失敗した」と思うと、
口の中でもろっと崩れるあの感じを想像して
もうその先一口も進められないです。
だからこそ、「このりんごじゃなくちゃだめ」という
品種にしか手を出さなくなってしまうのだと思いますが、

この「りんご」のメルマガを書き始めてから
「他の品種でおいしいの本当にないのかな?」と
思って、名前も知らないようなのを
オーガニックショップでちょっと買ってみました
(パリでです)
これが見事に失敗で(笑)
ふっかふかのもろもろ。
どうしよう…って思って、ふと思いついて、
芯をくり抜いて、バターも砂糖も詰めずに、
ただオーヴンで20分ほど焼きました。
…これが、おいしいのなんのって!
そしてあらためて思いましたが、
りんごは酸味が大切です。
酸っぱいりんごはおいしいです!

…さあ、次回はもう1回日本のりんごの話にするか、
(今は日本にいます)
次の話題、「キャベツ」の話にいこうかな?

今日はここでおしまいです。
ご愛読いただきまして、まことにありがとうございました。
次回も楽しみにしていただけましたら、嬉しく思います。


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posted by 石塚とも at 23:02| 「野菜くだもの通信」バックナンバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月13日

「著作権(追記・ただしくは「商標権」)のあるりんご」(食べもの)   vol.003(通算349)

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「著作権のあるりんご」(食べもの)   vol.003(通算349)

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みなさまこんにちは。

「ロービューティジャパンの野菜くだもの通信」に
お付き合いいただきまして、ありがとうございます。
筆者石塚ともの日頃の体験のシェアから、読者の皆様にも
なんらかの気付きがあれば幸いです。
ブログのメルマガ版、という感じです。

ちょっとお知らせなのですが、
このメルマガは今までメルマガスタンド「まぐまぐ」を通して配信してきましたが、
広告メールを読まなくてすむように、独自配信を考えています。
といっても、一度「まぐまぐ」に登録してしまいますと、
もうたくさん広告のメルマガが送られてしまっているので
遅いとも言えるのですが…。
受付できるようになったらお知らせしますので、
メルマガスタンドの広告が煩わしい、という方はぜひお乗り変えいただけます。

「野菜くだもの通信」を2回発行してから、
書きたいこと、読者の皆様にお届けしたいことが
いろいろ出てきて、なんか結局以前の「寺子屋」ふうに
なっちゃうかもしれないな…と思いました。
お役に立つこと、刺激になりそうなこと、
他ではあまり聞かないことなどで喜んでいただけたら幸いです。

さて、前回の続きのりんごのお話です。

わたしが好きなりんごの種類が「ピンク・レディー」と「ジャズ」という
種類だと書きましたが、
どちらもあまり聞いたことがない種類かもしれません。
しかし、とくに、「ジャズ」の方は、2年ぐらい前から急速に流通量が
増え、イオンや東急系のスーパーでよく見るようになりました。
ただし、冬ではありません。
「ジャズ」は現在国産がされておらず、日本で流通しているのは、
ニュージーランド産です。
南半球なので、流通するのは日本の夏なのです。



3年ぐらい前に最初に見かけたのは、麻布のナショナルスーパーだけでしたが、
味が日本消費者の味覚に評価されて、
翌年からは流通量が増えたのだと思います。
そのとき、父に「このりんごがおいしいよ」と言ったら
試しに1袋買ったあと買いだめしてましたので、
日本のおじいさんの味覚にもマッチしたのだと思います。
農業大国から満を持して輸入されているので、価格もおさえめです。

そしてどうして「ジャズは日本で生産されていない」と
言い切れるかと言うと、ジャズは「クラブ制」といって知的財産権が
保護・管理されたりんごであるため、まだ登録のない日本の農家は生産をしていないのです。
参考記事見つけました。
https://smartagri-jp.com/management/421
ピンクレディーも同じで、こちらは日本で登録した農家さんがあるので
日本で生産されていますが、数はまだ少ないです。
(日本で400本ぐらい)、と聞いています。


今日はここでおしまいにします。
ご愛読いただきまして、まことにありがとうございました。
次回も楽しみにしていただけましたら、嬉しく思います。


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posted by 石塚とも at 23:48| 「野菜くだもの通信」バックナンバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月08日

「甘くて酸っぱいりんご」   vol.002(通算348)

下記は、新しいメルマガ「ロービューティジャパンの野菜くだもの通信」
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ロービューティジャパンの野菜くだもの通信

「甘くて酸っぱいりんご」   vol.002(通算348)

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みなさまこんにちは。
このメルマガは、2018年まで発行していた
「石塚とものロービューティ寺子屋」を改題して、
2022年から発行させていただいくことにしました。
新タイトルは
「ロービューティジャパンの野菜くだもの通信」
としました。

続けたら嬉しい変化がいっぱいある、
そんなメルマガを目指しますので、お付き合いいただければ幸いです。

さて、前号で予告しましたように、「りんご」の
お話をしたいと思います。
秋〜冬の果物の代表。

「りんご一個で医者いらず」
(原文 an apple a day keeps the doctor away」
という有名なことばもあります。

「りんご 効果」などのワードで検索するとたくさん出てきますが、
「カリウム」(むくみ解消)
「ポリフェノール」(さまざまな抗酸化作用)
「ペクチン」(水溶性食物繊維、加熱するとさらに増える」
「ビタミンC」
「低カロリー、満腹感」

など、いろいろな効果がすでに報告されていますが、
わたしが1つ付け加えたいのは、
「味覚のリセット効果」
です。

生のりんごを食べてから、
他の食べもの(とくに加工商品)を食べてみると、
その食べたののの味の濃さが際立ちます。
とくに「塩分」、それから、砂糖の甘さや、油もよくわかります。

りんごの切り口の酸化をふせぐために
塩水にくぐらせることがありますが、
塩水につけたりんごって、その塩味がとても
強く感じられませんか?
長時間つけておくわけでもないのに。
ふだん、ほかの、塩味のついたものを食べて、たいして塩辛く
感じないのは、
それだけ味覚が慣れてしまっている、ということで、
りんごを食べることで、
「わー、ほかのものはこんなに味が濃いのか」
と、人工的な他の味覚を感じやすくさせてくれます。
そうすることで、他の料理の味付けが薄くなったり、
濃い味の食べ物に手が伸びづらくなったりします。

さて、りんご、ってものすごくたくさんの種類があります。
が、わたしは、「甘いりんご」が好きではありません。
「ふじ」は欧米や豪州でも流通しているりんごですが、わたしは苦手です。
黄色い「王林」なども甘く感じます。
「紅玉」は酸っぱいと言われていますが、わたしはそれでも甘く感じます。
なんといっても甘くないのはゲルソン・ジュースでも推奨されている
グリーンの「グラニー・スミス」ですが、
これはレモンに近いぐらいすっぱいりんごで、
さすがにこれの生食を連続的にするのは酸っぱいです。

というわけで、長年いろいろ試した中で、
わたしが気に入っているりんごが2種類あります。
それは「ピンク・レディー」と「ジャズ」という
2種類で、今はどちらも日本でも流通が増えてきています。
わたしが「おいしい」と感じる理由は、この2種類は、
「甘さ」と「酸っぱさ」のバランスがちょうどよいのです。
わたしの著書
『ローフード わたしをきれいにした不思議な食べもの』では、
実は、このときにつかったりんごは
ほとんどが「ピンク・レディー」です。


さて、わたしが「ピンク・レディー」と「ジャズ」を
気に入ったのは、いろいろ試してみた中で
「おいしい」と感覚的に見つけたものですが、
この2つの種類には、ある、現代的な特徴があることがわかりました。
それは、この2つの種類のりんごの手に入りやすさとも関係しています。
次回は、その特徴についてお伝えしたいと思います。


今日はここでおしまいにします。
ご愛読いただきまして、まことにありがとうございました。
次回も楽しみにしていただけましたら、嬉しく思います。


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2022年01月04日

「毎日続けて健康になりたいから」   vol.001(347)(メルマガ「ロービューティジャパンの野菜くだもの通信」)

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ロービューティジャパンの野菜くだもの通信


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みなさまこんにちは。
このメルマガは、2018年まで発行していた
「石塚とものロービューティ寺子屋」を改題して、
2022年から発行させていただいくことにしました。
新タイトルは
「ロービューティジャパンの野菜くだもの通信」
としました。

みなさま、お元気ですか?
わたしは、とっても元気です^^

2018年の8月に「ロービューティ寺子屋」の最終号(346号)
「昨日のわたしにうらやましがられる」
を発行してから、3年半ぐらいたちました。
当時のわたしが今の自分のことを知ったら、
「うらやましい」というよりは
「今やっていることが果実になっているので、ほっとする」
という感じじゃないかなと思います。

メルマガ発行当初は、それまでの人生で培った知識や経験をシェアすることが
読者の皆様のお役にも立ったので楽しくて発行し、
ついにはオフラインのお教室も主宰しましたが、
途中から、自分の生活は新しくチャレンジしたことや実験中のことが
多くなり、簡単に結論を述べにくくなりました。
同時に、読者の皆さんや生徒さんになってくれた方々も、
自分で自分の道を探すことが上手になり、メルマガの役目も終わったなと思いました。
それで、最終号を出しました。

一方、三年たって、少し自分の生活もそれなりに経験がたまってきました。
その結果、
「教育!」「成長!」と、強固に目標を設定する必要はもはやなく、
「毎日楽しく読んでもらって、別に直接役に立たなくても、
 次がちょっと楽しみになる」
ぐらいのスタンスで、何かを発行したいと思いました。

「栄養のあるもの」というのはそういうものだから、
「毎回、当たり前のように楽しんで、気がついたらなにかいい変化が起こってた
(でもそれが目的だったわけじゃない)
というのは、まさに、野菜や果物を続ける生活そのものです。

それで、「野菜くだもの通信」と名付けました。


ところで、今、みなさんがお好きな果物はなんですか?
わたしは、なんといってもりんごです。
なので、次回は、りんごの話をしようと思います。
りんごについて熱く語るメルマガです(笑)

このメルマガでは、代表石塚ともの有料記事や書籍発売のお知らせなども
させていただきますので、ご興味を持ってくださった方はご購読いただければ
もちろん嬉しくありがたく思います。
でも、メルマガだけでもたぶんじゅうぶん面白いです(たぶん)

あまり長くすると読む方も書く方も力が入ってしまうので、
今日はここでおしまいにします。
ほんと、以前に比べるとあっさりしました! (笑)
ご愛読いただきまして、まことにありがとうございました。


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