こちらの記事は
2022年9月14日配信分の転載です。
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今回の記事が役立ちそうなのは…、
健康な食事に興味がある方
ベジタリアンに興味がある方、抵抗がある方
ローフード、ベジタリアンの食事で結果を出せた方、
うまく結果を出せなかった方、
などです。
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2007年に「ローフード」という考え方に出会って、
2008年に自分の入門書と2009年に翻訳レシピ本を出版して、
その後も、調査、考察を重ねつつ
スタイルを微調整して現在にいたっていますが、
しばらく、
ローフード、ベジタリアンの栄養摂取について思うところを
書いていなかったので、
今回は、現在の時点でのまとめを書いてみたいと思います。
「細胞壁(さいぼうへき)」という言葉を、
小学生〜高校生の頃生物が得意だった方は覚えているかもしれません。
「細胞(さいぼう)」言葉なら、誰でも馴染みがあることでしょう。
細胞の一つ一つは、「細胞膜(さいぼうまく)」と呼ばれる
やわらかな膜で覆われています。
これは、動物も植物も同じです。
植物の場合、細胞膜(さいぼうまく)の周りを、もう一回り、
固い組織が覆っています。これを「細胞壁(さいぼうへき)」と
呼びます。
細胞膜は「膜(まく)」ですから、
触ると弾力のあるやわらかいものですが、
(自分の肌を触ってみればわかります)
細胞壁は、食物繊維でできており、硬いです。
反対にいうと、動物性食品は細胞壁がないから
食物繊維が含まれてないのですが。
どうしてこの違いができるかというと、
動物の場合、体を支えるのは「骨」なので、他の細胞(筋肉や内蔵)が
やわらかくても自立できるのですが、
植物の場合は骨がないので、
硬い壁に包まれた細胞が積み上がることによって、
自立を保つ機能を、細胞壁が担っているのです。
そして、植物を食べものとして栄養を摂りたい場合、
この植物壁を壊して、
その中にある栄養にアクセスする必要があります。
果物から栄養を取りやすいのは、
糖分が多くてすぐに活動するエネルギーになりやすいのと同時に、
果物の果実部分の細胞壁は柔らかいので、
ちょっと噛めばすぐにつぶれて栄養にアクセスできるからです。
しかし、植物の、他の大部分はそうはいきません。
果実の皮も、葉も、とても繊維が固い。
力いっぱい噛んでも、文字通り「歯が立たない」部分がいっぱい。
「木」を食べるのはまず無理だし。
人類の歴史は、生き延びるために、
この細胞壁を壊して栄養に到達すること、
壊すまでは、腐敗しないように保存すること
この2つを開発してきた歴史でもあります。
現在、細胞壁を壊す方法は、以下のいくつかがあります。
0)食べてしまってから体内で分解・消化する
これは、人間はできない方法なので、0としました。
消化器官内に、細胞壁を分解する能力を備えていないからです。
牛・ヤギなどの反芻動物は消化器官内に分解物質を備えています。
霊長類はコロブスなどの例外をのぞいて分解物質を持っていませんが、
ただ、ゴリラは分解してタンパク質に変える腸内細菌を持っています。
というわけで、下の1)からが、人間ができる方法です。
1)自力で噛む
果物や、生で食べられる野菜はこの方法でアクセス可能。
2)ミキサーで砕く、ジューサーで細胞壁を取り除く
ミキサーで砕いたのがスムージー、細胞壁を取り除いたのがジュース
ローフードでは、ナッツを砕いてパテやソースも作る
4)塩、砂糖、油、発酵によって細胞壁を壊す
漬物、ピクルス、マリネなど。
4)加熱して細胞壁を壊す
この方法がおそらくもっとも多くの植物に使われている
ローフード100%時代、わたしがたくさん食べていたのは4番目です。
レシピ本『ローフード・フォー・ビジーピープル』には
マリネ液のレシピがたくさんありますし、
ナスやズッキーニ、
ドライトマトなどで作った「ローラタトゥイユ」みたいのを
よく作って食べていました。
4番を愛用していた理由は、1番で「よく噛む」だけだと、
必要なカロリーを接種するのにものすごく時間がかかる
(下手すると顎が疲れて挫折する)のですが、
細胞壁が壊されているので、たくさん取ることができるからです。
油が入るので、カロリーも取りやすいです。
それから、2)ですけど、
「フルーツの入ったスムージー」は、
わたしの身体だけなのか一般論なのかわかりませんが、
血糖値がとんでもなく急上昇します。白砂糖なんて、それに比べたら全く安全圏です。
わたしが思うに、フルーツというのは酸味があるため、
ただ甘いだけの飲み物よりも、かえってたくさん糖分を摂ってしまうからでは
ないかと思います。
あと、繊維一杯の野菜をスムージにしてたくさん摂取すると、
わたしの場合はめちゃめちゃ便利になります。
食物繊維が多すぎて、かえって腸に詰まってしまうのです。
ローフードは穀物をとらないので、
カロリー摂取のために、
油やナッツをたくさんとっています。
そして、ローフード主体の食事を取ろうとすると、
「歯」以外に細胞壁を壊すために、
「塩」か「砂糖」か「油」の使用に頼ることになりがちです。
わたしも当初はこの食事法でOKだったのですが、
低めの温度で加熱した野菜や芋、ライ麦パンなどで
カロリーをとるゲルソン・ミールを食べるようになってからは、
こちらのほうが、ダントツ消化が楽だなあと感じ、
油やナッツが苦手になりました。
そして、ゲルソン・ミールはカリウムの大量摂取を勧めて
ナトリウムの接種を厳しく制限するため、
「塩を使って細胞壁を壊す」という方法が取れなくなってきます。
わたしは今大きな病気を持っていないし、塩分を多少摂っても
問題ないと思うのですが(忙しいときに外食などで摂ることもあります)
一度「無塩の料理」というものに舌が慣れてしまうと、
通常の塩分を加えた料理は、本当に塩辛く感じて
楽しめなくなってしまい、現在にいたっています。
一方、細胞壁を壊した食べものは、壊さない生の食べものより
身体のためにいいのかというと、そうとも言えないです。
上に書いたように、細胞壁の中の栄養になるべくアクセスしやすいように
調理されたゲルソン・ミールは、
消化吸収力の弱っているガン患者には栄養摂取しやすい、というのが
セオリーで設計されているのですが、
わたし(糖尿病家系)にとっては
これまた危険なぐらい血糖値が急激に上がります。
それから、加熱によって細胞壁を壊した食べもの=たいていの食事は、
口当たりもよく、よく噛まなくても
短時間でたくさんのカロリーを摂取できてしまいます。
白米とか、パンとか、噛まずに飲み込もうと思えば飲み込めちゃいますよね。
生活習慣病に気をつける必要がある人は
上手な付き合い方を考える必要があります。
動物性食品は、細胞壁がないぶん栄養にアクセスするのは
簡単なのですが、細胞壁=繊維をまったく含まないので、
摂取のバランスは必要と思われます。
血液を含んでいるわけですからナトリウムも多いですし、
動物性食品そのものが含む脂肪、調理のときに使う脂肪なども
注意が必要です。
ただ、こうやって書いてみると、
はたしてホモ・サピエンスはもともと草食動物だったのか?
ちょっと疑問ではあります。
「人間は、歯に牙もないし、唾液もアルカリ性だし、肉食に向いた身体ではない」
と言われることがあり、たしかにわたしたちの祖先はライオンみたいな
狩りをしなかったかもしれないけど、
でも、それなのに、植物繊維を自分の力で分解できないとしたら、
草食動物としてかなり不利じゃない??
「人間は果食動物だった」というのがナチュラル・ハイジーンの見解ですが、
果物は食べものとして大きな欠点があって、
それは1年中手に入るわけではない、ということです。
当時の果物は糖度も低くて、たくさん食べないといけないですし。
少なくともアフリカを出たあと、人間の祖先は
手を伸ばせば果物がある、という環境ではなくなりました。
手に入らないあいだ、何を食べてしのいでいたのか??
人間と遺伝子が98.8%同じチンパンジーは、
果実を主食としますが、主食の割合は6割ほどで、
虫や動物からも栄養補給する雑食性です。
ニホンザル、ボノボ、オランウータンも雑食性です。
オランウータンは、果実を食べだめして体内に脂肪を貯め、
果実がない間は脂肪を減らしてしのぐそうです。
彼らと人間も、実は細胞壁を壊す腸内細菌を「少しは」
持っているのですが、個体差があったり、ゴリラのように充分ではありません。
今のわたしには
「これが健康的な食事法です」とか
「これを食べなさい」と言うことはできないのですが、
自分にあった食事法を見つける上で、
「細胞壁」との付き合い方がポイントになるのではないか、というのが
今考えていることです。
人間には「加熱調理」という方法があるので、
エネルギーを摂りたいのだったら、
生の動物性タンパク質だけでなく、加熱した野菜や豆、穀物をとるという
選択ができます。
動物食も、我々がチンパンジーの親戚なら、
割合を考えながら味方にすることができるのではないか、
という気もします。
今回のお話は、ここでおしまいです。
ご愛読いただきまして、まことにありがとうございました。
次回も楽しみにしていただけるように、頑張ります!
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