「うわー、天才ってこういうこというんだ」って思いました。参りました。平伏しました。それぐらい、私より三つ年上の女子高校生SF作家、新井素子さんの登場は衝撃的なものでした。
NHKのFMで放送していたラジオドラマをたまたま聴いてからどんどん引き込まれ、NHKに電話して原作(『大きな壁の中の外』)を教えてもらいました。書店にどこにもおいていなくって、神楽坂の小さな出版社奇想天外社に買いに行ったのはなつかしい思い出です。(その本は結局卒業した高校の図書館に寄付してしまい、高校の卒業アルバムにはその本を持って映っています。今とあまり変わらないことをやっていました^^;)
彼女の2冊目の書籍、コバルト文庫から出た『いつか猫になる日まで』はたいして感心しませんでしたが、3冊目に出た『グリーン・レクイエム』にはやられました。完全、もう、木っ端みじん。宇宙船が座礁したために地球に取り残されてしまった植物型の生命体が、彼女を救おうとした科学者の手で地球人型に作り変えられ、その自分の生い立ちをしらない少女が地球人の男と恋に落ちてしまう、という、ストーリーは、大きなスケールとロマンスが同居していて、本当に夢中になってしまいました。
この植物型生命体(今は人間の姿)の少女、明日香には、危険な力があるんですね。彼女はもともと、「外は植物だが、中身には自分の意思があった」わけです。この彼女が、20分以上地球の植物の近くにいると、その植物も意思を持ち始めてしまうんですね。そしてこの植物がさらに隣りの植物に……と、意思が伝染していってしまうんです。
意思を持ち始めた植物は、人間に対して敵対の意思をむき出しにするようになるんです。「あんたらは、なんでそんなに野蛮なんだ」「何も生産できないくせに、逃げられない我々をとって食べるのか」と。
だから明日香はすごく危険な存在なんです。でも、明日香が自分の意思で男性と恋におち(たつひこ、だったかな?相手が)彼と外に出てしまったために、地球は大変なことになる……。座礁した彼女たちを助けに来るはずの宇宙船はまだこない……。
こんなストーリーです。
green for life を読んで(2/3ぐらい読んだ)すっかり
新井素子さんは「ルパン三世みたいな小説が書きたかった」っていって小説家になるんですね。マンガなんて小説より一段下だと思っていた文学界をこの一言は震撼させるんですけど、そのようにビジュアルから入ってきた新井さんの傑作『グリーン・レクイエム』は執筆後30年(!)たった今も映像化されていません。「明日香たち植物一族の緑色の髪の毛」「髪の毛が意思によって動く」そして、「植物が意思を持つ」というシーンが映像不可能なんだと思います。
でも、グリーン、身体に入れると逆に感じちゃうのです。「ああ、植物というのは、とくにグリーンというのは意思があるんじゃないか」と。
Green for Life によると、クロロフィル(葉緑素)と、ヘム(血液の赤色ヘモグロビンを作る)は、きわめて構造が似ているそうです。緑の血といえば、冷血人間妖怪人間ベムのイメージですが、どうもそうじゃないらしい。
『グリーン・レクイエム』の中では、植物が意思を持って刈られることを拒否したりし始めるんですけど、グリーン・スムージーを飲む世界では逆にグリーンが人間の身体の中に入ってきて人間を植物化し始めます。
でもそれはSF小説の中に描かれたような恐れるべき世界ではなく、動物たる人間が植物にサレンダー(=白旗をあげて決定を明け渡すこと)し、植物に意思をもたせてやることで、人間をまったく別の文明に連れて行こうとしている。
完全なつれづれごとですが、そんなふうに考えると面白いです。
今日、果物とグリーンの比率が5:5のグリーン・スムージーを1。5リットルぐらい飲んで、「あ! 変わった!」っていう感じを味わってから、ますますそんなふうに思っています。
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洋裁ブログ経由で拝見するようになった者です。
「グリーンレクイエム」がなつかしく、思わず書き込ませていただきました。
私はラジオドラマ(明日香が荻野目慶子さん、たつひこがたぶん榎木孝明さん)を偶然聴いて、
感動して原作を読んだことを覚えています。
「カプチーノ」も「いちめんのなのはな」もこの本を通して知りました。
映像化、やはりされていないんですね。
いかにもNHKがあたりがドラマ化してくれそうだと思っていたのですが・・・。
ジュブナイルやマンガも意外と大胆にやってくれますし。
やはり緑の髪の毛が動き出したりするのがホラーっぽくなってしまうでしょうか(笑)
「グリーン・レクイエム」は確か映画になってたような記憶があります。映像そのものは見ていないのですが、雑誌かなにかで明日香の髪の毛があまりにも「ペンキで染めました!」っていう美しくない緑色でがっくりきたことを覚えています・・・。
以前から、ローフードについて興味深く思って読ませていただいてたのですが、つい新井素子さんに反応してコメントしてしまいます(笑)。私も10代のとき大好きでした。「グリーンレクイエム」は文月今日子さんによって漫画化されたものがあまりに切なくて印象に残っています。たしか原作とはだいぶ違ったような気がしますが...。ともさんも新井さんが好きだったと知ってなんだかうれしくなりました。
懐かしいです。
読んだ後やりきれない思いになったのを覚えています。
これ、続編もありましたよね。
続編の方は、今回ともさんが書かれていることと少し
つながるようなラストだったように思います。
私も小説持っています。新井素子さんは今何か書いておられるんですかね?
美しい黒髪は「緑の黒髪」と言われてきましたが、実際美しい透明感あるグリーンに輝いたら素敵だなぁ〜って空想を膨らませたりしました。
新井素子さんなつかしいなぁ、石ともさんと私は同世代ですものね。久美沙織さんとか、藤本ひとみさんとか、コバルトノベルズにはまって自宅には単行本が山のようにありました。
石ともさんのコバルトノベルズも読んでみたかったな。小説ではないけれど、本を出す夢はちゃんと叶えてらっしゃってすごい!!これからでも小説家目指せますものね。
私は子供の頃の夢とは全く違う職業についているのでうらやましいです。
私の夢はバレリーナでしたが、バレエ教室に通わせてもらえませんでした。しかも体がとんでもなく硬いです(涙)
もう少し痩せて、レオタードを堂々と着れるようになったら習おうかしら。
これからもブログ楽しみにしています。
「グリーン・レクイエム」やっぱり傑作でしたね。
>ぷりんさん、私の夢もバレリーナだったような。。。
あれれ、変だな(笑)
グリーンレクイエム で検索して来ました。
映像化されていない と書かれていますが、
1988年に映画が公開されているようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%A0
リンク先拝見しました。情報発見できませんでした。ありがとうございました。
うぉー、鳥居かおり、坂上忍か。。。