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2009年07月24日

「ベトナムとの戦い」と「ガンとの戦い」を同列に考えていた大統領

 8月8日に公開される、フランスの小学校を舞台に、学校給食をすべて地元のオーガニック食材にしようという試みをおったドキュメンタリー「未来の食卓」。環境に関心の強い人に向けた試写会も行われていますので、このブログの読者にはチェック済みの方も多いかもしれません。

 私も先日拝見したのですが、その中で印象に残ったのが、映画の大筋と少しそれるのですが、引用されたアメリカ大統領の言葉でした。
 1970年代、アメリカでガンが深刻な社会問題となり始めたころ(たった40年しか昔でないのか! 今じゃ「病気で死ぬ」といえば「ガン」なのにね)。当時のニクソン大統領が宣言した政策の柱二つが「ベトナムとの戦い」と「ガンとの戦い」であったそうです。

 そして、「ガンとの戦い」の切り札として推奨されたのが、今となっては悪名高き「化学療法」だったそうです。当時は「アポロが月に行く」と同列に考えられていた科学の最先端だったのでしょうが。

 化学療法がどんなに大変かは、私の20代〜30代の人生のメンター、千葉敦子さんの本に出てきます。



 髪の毛が抜けるのは有名ですが、壮絶なのは「吐き気」ですね。千葉さんは「吐き気」と書いただけで吐き気がこみあげてしまい、紙袋を用意して吐きながら原稿を書いた、というほどひどいものだったようです。
 そして、アメリカ人にとって、高い医療費も問題だったようです。ガンにかかると、病院から、しつこいぐらい「どういう保険に加入しているか」聞かれた、といったことなどを千葉さんは書いています。

 映画では、「この戦い方は、間違いだった」と結論づけています。

 そして、アメリカのもう一つの戦い、「ベトナムとの戦い」の切り札となったのが、こちらも悪名高い「枯れ葉作戦」だったわけです。つmり、こちらも、化学液体で、「共産主義」という「世界のガン」を撲滅しようとした。
 そして、こちらもやっぱりうまくいかなかったわけです。

 1970年代って冷戦まっただなかで、世界を2色に分けるっていうか、そういう時代だったのかな? って思う。悪いものは撲滅! それに疑問を考える暇もなく。

 でもね、だとすると、今の世界的な潮流→環境問題への世界的な大きなうねりを見ていると、数十年後から見たら、「あの頃、そういうふうにみんな思ってたんだよねー」ってやっぱり思うんじゃないかな? って、思う気がどこかにあります。
 潮流の中に巻き込まれているときは、自分が何をしているかは見えないものだったりするから。でも、何が間違っているのかはわからないけど、運動の中に「何かを忘れさせてくれる感覚」を感じて、「流れにのるのはいや!」って思っちゃったりする(ローを続けたら、この感覚はとれるものなんだろうか? それとも、ますますはっきりしてくるだろうか? 我ながら楽しみ)

 当時の「ガンとの戦い」「ベトナムとの戦い」が時代の要請によるものだったとしたら、その「要請」をしたのははたして誰なのか?
 地球が私たちで私たちが地球なのだとしたら、実は、最大の黒幕は「地球」そのものだったりして? などと、考えています。アシモフの「アイ・ロボット」風に。
 
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posted by 石塚とも at 17:04| Comment(8) | ちょっと哲学的なこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは〜。

千葉敦子さんの壮絶な癌との戦いは、わたしの潜在意識に深く染込んでいます。
あんなに賢い人が、色々な文献を読みあさった結果、あの解決法をえらばなければならなかったのはどうしてなのか?という疑問が消えません。

地球はもうこんなアホな人間にはいなくなって欲しいと思っているかも。

ではまた!
Posted by ぺんぎん at 2009年07月24日 22:44
お久しぶりです。
千葉敦子さんの闘病の様子は、主体性と自己責任のもとにしっかりと取り組まれていたと思います。医者任せ、他人任せのところは一切無かった。
賛同できる所とできない所はありますが、あの姿勢は凄いと思います。

【運動の中に「何かを忘れさせてくれる感覚」を感じて】
これ!!これなんです!!
「何かを忘れさせてくれる感覚」っていうのが私の警戒していたものでした。
そう感じる自分の中に、「自分の闇からの逃避」があるんじゃないか、って。(あ、これは運動をされてる方への批判ではないです。対象はあくまで自分。)
あー、すっきりしました。ストライクワード、ありがとうございます。
Posted by Rosmarin at 2009年07月25日 03:31
>ぺんぎんさん、

おはようございます。
千葉さんの本の中に、家族が代替医療を勧めたことへの反論として、彼女は
「言論の自由が保障されているアメリカで、いい医療方があったら、論文などで
出てこないはずがない」と
いい返すシーンがあるんですね。
千葉さんは基本的にフェアだったと思うけど、
アメリカの言論の自由は「資本主義優先の自由」だということを注目しませんでした。
彼女のキャリアを飛躍させたニーマン奨学金(ハーバード大学)は、彼女が当時勤めていた
東京新聞の給料の6倍の額だったことも
本の中に書いてあります。
(アメリカの篤志家は本当に太っ腹ですね〜)
これが彼女にとって「意欲と能力ある者には機会を与えてくれるアメリカ」の
決定的なイメージづけになったのではないでしょうか。
あ、あと、私「納豆ごはん」のコメント書き込んだと思ったのに消えてました。
私もねぎ入れないけどからしは入れて食べたいです(笑)
Posted by 石とも@管理人 at 2009年07月25日 08:42
>rosmarin さん、

彼女のことを知った学生のときから(新聞の訃報で知ったのですが)5年ぐらい前まで彼女の生き方は
影響を与えたっていうかしばられたぐらい。
(そもそも西麻布に住んでいるのは私が千葉敦子教だからです。ふつー考えつかない場所ですもの)

六本木に引っ越して彼女の本を捨てました。

この記事を書いてから一晩考えて、
「じゃー黒幕の地球をゆるすところから何かが始まるかも?}
って思いました。
Posted by 石とも@管理人 at 2009年07月25日 09:00
納豆ご飯のコメント、生きてますよ、お返事も書きました。芥子、いれるのわすれてたので、次回は入れてみます。
青のりとかも好き。うふふ。
Posted by ぺんぎん at 2009年07月25日 21:14
>ぺんぎんさん、

見られました〜
そして、私、昼も夜も納豆+生玄米
(昼は別々、夜はかきまぜた!)
でした〜
私もやっと好きな和食があったことを思い出させてくれてありがとう^^
Posted by 石とも@管理人 at 2009年07月25日 23:12
私も20代に千葉敦子さんの本はかなり読んだので、本を処分して10数年経つと思いますが結構記憶に残っているようで、いろいろ文章が思い起こされました。
自分では「影響受けた」と思っていたけれど、今の自分を客観的に見ると、「どこが影響受けたんじゃい」と言いたくなるような会社員生活でした(;;)
Posted by せいこ at 2009年07月26日 19:35
>せいこさん、

え、せいこさんもたくさん読まれたんですか。
今まで一度も話したことありませんでしたねー(笑)
Posted by 石とも@管理人 at 2009年07月27日 21:27
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