iPhone のいいところは、「同期(synchronizeシンクロナイズ)」といって、たとえば今まで別々に管理されていた携帯電話の中の連絡先とPCの中の連絡先リストをつなくだけで共通の最新データにアップデートしてくれることなのですが、このように連絡先管理やスケジュール管理についてはアイフォニストたちのあいだで使いやすいソフトがだいたい一致しているのですが、To Do だけは、いまいち評価が分かれているようでみんないろいろのを試しています。
GTD 対応のものがいいんだけど(GTDって何? って方は、こちらやこちらを見てください。ちなみにGTDとノンバイオレント・コミュニケーションは「具体的な行動に落とし込む」という点で、非常に似ています)GTD対応のTo Do リストで、iPhone とも共通で使えるものがなくてみんな苦労しているみたいなのだ。
で、ごく普通のTo Do(「タスク」ともいう)リストを作っていて思うのだけど、「タスク」というのは「やるべきこと」なので、書いていてなんか面白くない。本当はスケジュール管理というのは、あまった時間を作り出して「やるべきこと」から「やりたいこと」へアクションを以降させていくことなんだけど。(いわゆる第2領域というやつ)
……みたいなことを考えながらあれこれソフトを探していたら、興味深い一文を見つけた。
それは、「ゴールリアライザー」という、GTDにかなり近い、目標を整理して達成を支援してくれるソフトなのだが(名前が「コスモクリーナー」みたいですが^^; )、その説明サイトに書いてあることには、
そのソフトの機能を使って、
「やるべきことをやらされる」のではなく、
「やりたいことに向かって自ら突き進む」
自ら突き進む、ね〜。
ここには、「やりたいことを」と書いてあるけれど、今、年の瀬を迎えて思うのだけれど、「To Do(やるべき)」なことと、「Wish(やりたい)」なことが、一致するというか、かちりとはまる瞬間があって、その「かちり」という音が聞こえてしまうと、自分がやりたいことなのかどうか? そういう次元を超えて、まさに「突き進んで」しまうとき、というのがあるのだ。
この「突き進み」の状態にあるときというのは、自分のニーズがわかっているときで、すなわち、自分が何者かをわかっているときなので、精神がとても安定している。
『ビジー・ピープル』を作ってみて、細かい点では「こんなことやってていいのかなー」と思わないでもなかったが(結構思った気もする^^;)、でも、大きな流れでいうと、「突き進んでた」。それ(『ビジー・ピープル』の日本語版)が、ここにあるべき気がする、みたいな、ビジョンがあって、それがもう当たり前、というか。
今もまあ、タスクリストを毎日更新しないといけないほど「やりべきこと」のような「やりたいこと」のようなことがますます山積みの毎日だけど、もう、あまり「私はこれを本当にやりたいの?」とか考えずに、「突き進む」のがよろしいような気がしている。
ちょうど、スピードがつけばつくほど、二輪の自転車が倒れにくいようにね。
「仕事と遊びを区別してはいけない。それから、仕事と遊びを区別してはいけないということを、一瞬たりとも深刻に考えてはいけない」
――アラン・ワッツ