思いっきり長期連載になってきたので、何かのお役に立てればいいのですが……。
さて、このすい臓のお話は、あるお医者さんに取材をしているときに降りてきた(というか、つながった)のです。
ローフードの栄養についていろいろ調べていますが、ローフードを推奨する医師や教育機関だけでなく、ごく普通のお医者さんの意見も聞いています。
「何が食い違っているのか」
「何が知られていて、何が知られていないのか」
「『お医者さん』というのは、何を学んで何をする存在なのか」
にも興味があるからです。
いわゆる「代替医療」が否定しがちな「近代科学医療」とはそもそも何をするのか? 基本的な確認もしたいと思ったのですね。
今回、このお話をしてくださったお医者さんは、消化器が専門ではないのですが、逆に、医学部というのは課程でどういう勉強をして、専門でなくても医学部の常識として何を知っていて、何が専門家以外にはわからないのか、といった、興味深いお話をしてくださいました。
そして、すい臓ガンが「ガンの王様」と呼ばれる5つの理由、それに、すい臓ガンにまつわる、ちょっと不思議な話をしてくださったのです。
まず、すい臓ガンが難治ガンである5つの理由というのは、
・早期発見が難しい(自覚症状がない)
・進行が早い
・治療しても、予後が非常に悪い(再発しやすい)
ことに加えて、
・決定的なリスク・ファクター(タバコ=肺がんのような)が見当たらない。
つまり、どうすれば予防できるのかがわからない。
さらに、
・場所が胃の裏にあり、手術が難しい。
そうなんです。このテキストの「すい臓 1」で触れました、「すい臓は場所が地味」というのが、ここで影響してくるんです。
ガンというのは、切除が半端だとさらに飛び散って転移してしまうので、いったん外科手術になったら正確さが求められます。ところが、その正確さを、この、まさにビハインドな場所が阻むのですね。
ガンを発見しても手出しができないこともあるそうで、すい臓ガンというのは、お医者さんの無力感をかきたてるというか、「ああ、人には手出しができないことがあるんだ」という気持ちをつきつけてしまう病気だというのです。
(続く)
【関連する記事】