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2010年04月21日

すい臓 5

 みなさま、こんにちは。

 やっと、書きかけの、すい臓のお話です(前回まではこちら)。

 おさらいしておくと、

・すい臓は、三大栄養素の消化酵素と、インシュリンなどのホルモンの分泌をつかさどる、消化のために重要な器官である。

・生食とすい臓の疲弊の関係は示唆されている。何千年も加熱食を食べてきた人間のすい臓は、野生動物との体重比に比べて3倍も肥大している。生食で育ってきたマウスに加熱食を与えると、すい臓は肥大し、生食に戻すとすい臓の大きさも元に戻る、という実験結果がある。

・そのすい臓、ガンになると、発見が遅く、進行が早く、滅法予後が悪く、「タバコ=肺ガン」のようなリスク・ファクターが見つからないことから、「ガンの王様」と呼ばれている。

 さてさて、そのすい臓。今回は、実験科学からははずれた話になっていきます。そこから先は、私の思索です。

 「リスク・ファクターが特定できない」といわれる、すい臓がん。でも、すい臓が、胃以上に消化器官の丈夫さを決定づけるものだとしたら、その要因は、あきらかに、一つの仮説がたつのではないか?

【すい臓がんの因子=消化に負担のかかる食べもの】
 
 ということで。

 エドワード・ハウエル博士が立てた仮説「潜在酵素の数は決まっている」は、実は、証明できない(間違っているのではなくて、実験不可な)仮説です。しかし、「すい臓の機能に、強い、弱いの個人差がある」というのなら、実験しなくても納得できるでしょう。すい臓がよく働く人は、無茶な食べ方をしても大丈夫だし、機能が弱い人は、無理な食べ方をしたらすぐにガタがくるでしょう。丈夫な人でも、それを超える無茶加減をやれば、やっぱりガタがくるでしょう。
 そして、消化器官が弱ってしまうということは、必要な栄養素をとれなくなるということなので、あっというまに病気が進行してしまっても、不思議ではないでしょう。さらに負担をかける食べものなんかで栄養をとろうとしたら、先は目に見えています、と、思われます。

 これらは、今のところ、証明不可、ではないけれど、実験するのが難しいと思います。なぜかというと、「消化に負担をかけない食べもの」といはどういう食べものか、という、仮説を立てることは、科学者の人たちのあいだでホットなテーマのように見えないからです。仮説がたたないと実験も生まれません。

 「消化に負担をかけない食べ物」というXに「生菜食」と入れると、この方程式は比較的きれいに解ける、とは思うのですが、それだけが唯一の解ではないとも思うし(たとえば、よく噛んだ加熱の玄米クリームなんかも、そこそこ消化はよいと思われます)、栄養以外の要因もあると思われます。精神的に幸福感の高い状態で食べた食べものは、多少、消化に悪い食べものであっても栄養の吸収率は違うかと思われます。この「精神的要因」は野生動物にはないものなので、人間の健康管理ってやつは、本当に、複雑で繊細です。

 なので、実験科学的考察は、ここでひとまずおくことにします。

 ここからは全然科学的でないお話なのですが、実は、このことも、先日取材させていただいたお医者さんから聞いたのです。

 すい臓がんは、今のところ科学的要因の見つけられないガンですが、一方で、お医者さんたちから見ても、「どうしてあの人が?」と思う人がなることが多い、というのです。

 なにしろ因果関係が見つけられないのですから、
・暴飲暴食もせず、
・人柄もおだやかで
・みんなに好かれて
・「不健康」というイメージとは遠く、
 それゆえに、
「どうしてこの人が?」
 と思うことが多いそうです。

 それが、お医者さんたちの目から見ると、まさに、「生命がつきる」「生命の火がつきる」というようにうつってしまうそうです。
 お医者さんという、実験科学によって詳しいデータをもって仕事をしている人たちだけに、そうでない現象が起きると、よけいにそう見えてしまうのかもしれません。

「ローフード」が「生きている食事」=「生命力をアップしてくれる食事」といえるのか、見方はいろいろです。人文科学的にはそう言い切れると思うのですが(人文科学だからといって、全部が勝手論だというのは間違いですが)科学的な「生命」の定義とすべてがあてはまるわけではないので、外れてしまう部分もあるかもしれません。
でも、「死」の定義が、以前の「心臓死」から「脳死」というもう一つの定義ができたように、「生命」の定義にも、今後、変更や拡大が行われないとも限りません。

 ただ、どうやら、人間の生命の「不思議さ」のキーを握っているのがすい臓といえるのではないか、と、現時点で私は思っています。そこに実体があって機能もわかっているのに、人間が現代技術で管理することができない不思議な器官、それがすい臓です。

 ですから、すい臓がやられた人が、すーっと命の火が消えるように去っていく可能性が高いというのもなんとなくわかるし(不思議、というベールに包まれているのは、現代では、とても尊厳のある死かもしれません)、逆に、少数ですが、すい臓をやられて死の淵から生還した人というのは、本当に、「生まれ変わった」というか、第二の人生を生き始めるのかもしれない、なんて思ったりします。

 そんなことを考えたのは、ある、20世紀にものすごく重大な影響を与えた人物が、すい臓がんからの生存者である、という話を聞いたからなんです。

 繰り返しますが、たった一人しか例を知らないので、この考察は全然科学的ではありません(ごめんなさい)。
 でも、あんまり強烈過ぎて、その人は、本当に20世紀後半の世界を変えてしまったので、たった一人でも、理屈抜きでうなずかさせてしまうようなパワーをもった人です。
 カリスマというのは、そういうものなんだと思います。

 
 それは誰でしょうか?

 あ、知っている人がいそう(笑)

 でも、もう一回だけ、このお話は引っ張りたいと思います。

 本日も、お読みくださり、ありがとうございました。

「すい臓」のお話は、次回の6で完結します。


 

 
posted by 石塚とも at 00:00| すい臓 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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