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2010年05月29日

パスタがロマンスに似合ってきたわけ(仮説)(マッチとロー・ラヴ3・完結編)

 みなさま、こんにちは。
 いつも当ブログにお越しいただきまして、ありがとうございます。
 ……と書くのをさぼって久しいですが、「父と娘のメルマガ」で空疎なお礼を言わないわけを書いちゃったので、もうそういうキャラ作りはあきらめます。読んでほしいことができたら、すぐに本題に入りたくてしょうがない人なので、ご容赦くださいませ。

 ヴィクトリア・ブーテンコさんのお話を聞いたら勝手に浮かんできちゃったこと3。完結編。(ちなみに2はこちら

 ヴィクトリアさんのお話ですごく興味深く感じたことが、「産業革命になって、小麦粉の大量精白技術が可能になったとき、乾麺技術が発達した」というくだりです。

 だって、乾麺ってたしかに保存がきくけど、ヨーロッパ全土で乾麺を食べる歴史が広がったわけじゃないでしょ。イタリアだけでしょ。
 それに、乾麺って、産業革命のときに初めてできたんかい? ちょっとそこのところが気になって、調べてみたら、押し出し麺式にいろいろアイディアが出てきて、最後は超大きなガラクタを捨ててしまいましたよ、ロー・ラヴに関する。



 こちらのサイトが、イタリア、中国、両方を含めてわかりやすかったのですが、やっぱりイタリアでは、パスタの前身に当たるものを、紀元前から食べていたみたい。また、パスタはヨーロッパではイタリアがダントツに消費量が多いのですが、10cごろからイスラム圏にも輸出されていたことと、14世紀ぐらいには乾麺はポピュラーになっていたようです(こちら)。

 でも確かに、わかったことは、「麺」があると、人は確かに手軽に自炊できるということ。パンやご飯は冷凍したりトーストしたりチンしたり管理が大変。でも、乾麺は、食べる直前にゆでればいいので、炭水化物の劣化を防ぐことができる。「家にインスタントラーメン積んである」人より「家にパスタが常備されている人」の方がなんとなく料理ができる人のイメージで、女子からポイント高かったりするし(違う?)

 でも、自炊だからいいっていうのかというと、ヴィクトリアさんの指摘通り、パスタにはほとんど栄養がないというのは新しい視点だった。炭水化物を栄養とみなさなければ、の話ですが。つまり、炭水化物(カロリー)だけ多くて無機質、タンパク質もとれないエンプティー食品。

 で、そのエンプティ食品を世界で一番食べているのが、イタリアです。

 で、はたと思ったのですが。それも4月8日の写真を我ながら眺めて。

 このレストランはフレンチなのでパスタのメニューはないのですが、こういう、男と女が何事かありそうなシーンに、イタリア料理というのは実によく似合います。

 「カンターレ、マンジャーレ、アモーレ」のお国柄は何を食べて生きているかと関係しているのか?

 っていうか、麺って、近代ロマンチック・ラブと、妙に相性がいいところがある。日本でも、カップルがカウンターに並んで座ってラーメン食べてたらなんか独特の味わいを出してるでしょう(違?) 蕎麦屋でデートと言うのもなんとも乙というか色っぽいし(違?) 屋台のフォーも(違?)

 理由に、「いつでもたべられる(とくに夜)(思い立ったらすぐ)」というのがあると思う。

 乾麺は、先史時代からの生活スタイル(太陽とともに起きて寝る)を壊せる食べものであり、最初のファスト・フードであるということね。近代ロマンチック・ラブの特徴は、「生産活動(子作り)じゃなくて余暇活動(暗くなってから何やらお楽しみがある)」の面がどんどん助長されるようになった。そういうときに、この人類初のファスト・フードは、やたらと威力を発揮してしまうのだ。

 もうひとつ、栄養的に「カロリーが高くて栄養価が低い」エンプティー・フードであれば、それは、人間の気だるさ、倦怠感につながる。恋をしたら当たり前だと思っていた、翌朝、「夜明けのコーヒー」飲まずにはいられないようなせつない感覚、あれはもしかして、食べものからもたらされたものだったの?

 そして、「快感」と「そのあとにくるやるせなさ、不安感」がセットになったものこそ、嗜癖(しへき、アディクション)しやすいものの特徴で、それがモダンの特徴なのだ(「貨幣」がこの二つの特徴を兼ね備えてるしね……)。
「物質世界を構成するマトリックスに足をとられなくなることが、ローフードを食べることで目指すゴール」。5月12日に聞いた、ガブリエル・カズン博士(このときのレクチャーの動画はこちら)の言葉と、ヴィクトリアさんのお話のおかげで、先週末はぐらんぐらん、頭が新しいパラダイムへの入れ替えを行っていた。

 ……で、気がついたら、「捨てよう、捨てなきゃ」じゃなくて、もう勝手に次の結論ができあがり、実行されていたのである。

「モダン・ロマンチック・ラブは、ガラクタだ」

 しみじみそう思った理由は、ロマンスというのは、今、私が生活の中で、好きなもの、大切にしているもののなかで、唯一、ギャンブル性が高すぎるのである。もちろん、そこからなにがしかの学びはあるから大事にしてきた。でも、たとえば、仕事でも、ローフードでも、語学などの勉強でも、あの手ごわいクラシック・バレエでさえ、上達のためのポイントをきちんと押さえたうえで、毎日こつこつ努力を重ねたら、着実に伸びる。そうやって身に付いたものは、自分を裏切らない。でも、ロマンスが自分を幸せにしていると考えると、自分の幸せの原因が他者に起因してしまう。自分が賭けた馬が勝ってくれないと幸せになれないと同じです(笑)。そして、他者に起因した幸福感は安定しない。幸福になったら瞬間は「失ったらどうしよう」という不安が発生する瞬間と同時なのだ。この振り子が、人を中毒に追い込む。

 投資効率、悪い。

 そう思ったら、一にも二もなく、「処分」になってしまって。
 
「非暴力的で持続可能な人間関係」であれば、そこにはギャンブル性も、したがって嗜癖もない。そういう関係の中に男女関係も含まれていると考えるほうが、努力も報われる。何より、ローフードと同じぐらい、人をラクにし、エネルギーをもたらしてくれる。モダン・ロマンチック・ラブはガラクタだが、ポストモダン・ロマンチック・ラブは一生の宝になるかもしれないです。
 
 ロマンチック・ラブに魅惑のパスタと、食後にチョコレート・ソースをたっぷりかけたプロフィット・ロールがよく似合ったように、非暴力で持続的な人間関係には、それにふさわしい食べ物がある? 低刺激で、嗜癖性がなく、排他性(「これじゃなきゃだめ」という)がない。何がそういう食べ物とは、今さらいう必要もないと思いますけど。

 やれやれ、なんと大きなガラクタを持ってたんだと思って、それが、私から離れたと感じた晩、ひさびさに、「背中に羽が生えた」と感じた。それぐらい、軽かった。
 通っているマッサージの先生のところで、「ロマンチック・ラブはガラクタです」と言い切ったら、「石塚さん、今日、身体、すごくいい感じなんですけど」といわれた。

posted by 石塚とも at 22:28| Raw Life! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする