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2019年05月10日

映画『作兵衛さんと日本を掘る』でも掘らなくても今ここに見えてること

 5月25 日(土)よりポレポレ東中野他で公開される、『作兵衛さんと日本を掘る』。

 思うところ大きい映画というのは「ちゃんと書かなきゃ」と言葉を探っているうちに公開日のタイミングをはぐってしまうことばかりだったので(『主戦場』もいまだに書けていない)まずは今書けるところを書いておきます。その「思うところの大きさ」のことを世間では「衝撃」と言ったりする。

 映画のタイトル、『作兵衛さんと日本を掘る』だけ聞くとこれが芸術の映画だとはわかりづらいのですが、これは、20世紀を生きたひとりの画家とその作品群をめぐるお話(ドキュメンタリー)です。その背景にある日本を掘るというか、背後の日本の縮図が浮かび上がってくるというか。山本作兵衛という、日本の美術史でほとんど名前を聞くことのない、アマチュアの画家の作品をためたスケッチブックが、2011年5月、日本初のユネスコ世界記憶遺産に登録された。

 その絵は、作兵衛自身の生活の場所だった筑豊炭田での暮らしを描いたもの。
 どこの博物館かテレビだったか見た記憶はあるがどこだか覚えていないのだが、昔の炭鉱というのは、安全なんか何も考慮されてなくて、ここ入って事故が起きたら生きて帰ってこられないんだな、ということが、入り口からわかるような場所だった。その奥で、多くは夫婦で(炭鉱ほりは二人一組で作業する)働いた。暑いから、男も女も裸だった。d

 その生活ぶりを、作兵衛は、独学で、誰に頼まれたわけでもなく、ある日描きだす。その作品の数は千枚を超えるという。
 その絵を見て、この作品で取材を受けている日本画家、菊畑茂久馬氏は、一時自分の絵が描けなくなってしまったほどの衝撃を受けたという。
 

 ゲルソン療法WSに参加した時に、「牛」の話になった。牛というのは、現在では「食べるもの」だが、昔は、牛を持っているということは、トラクターを持っているということだった(日本では。土地が広い南米やアフリカでは今でも土地と車と金貨全部合わせたような感じかと思う)。今、トヨタ、日産、ルノーなどが世界的自動車メーカーだが、「自動車」が出てくる前は、「牛・馬」がその役目を果たしていた。牛馬は人々の生活の豊かさを左右するものだった。
 で、産業革命が起こって、牛・馬という生物(一頭が持っているエネルギーは限られている)ではなく、「機械」を作ったらエネルギーの投下次第でいくらでも成果を出せる、そういうに動力が変わっていった。そのときにエネルギーとして注目されたのが「石炭」だったわけだ。このエネルギーを安く大量に手に入れるために、労働力がなりふりかまわず動員された。そして、1970年ごろ、そのエネルギーは突然、安く輸入された石油にとって代わる。さらにそれが、原子力発電に代わる。

 健康の話をするときに、科学的な、つまり理系な話が先行しがちで、その次にスピリチュアリティとか芸術とか宗教とか霊的な話も私の回りではまあまあ出ることがあって、それらに比べて著しく出てこないのが、歴史、経済、政治という、社会科学的なアプローチだなあと今のところ私は思っている。
 この映画では、歴史、経済、政治という社会科学的見地も掘り起こされるけど、山本作兵衛が描いたのはそれらすべてを含んだ芸術だった。芸術だから、見た時に、理屈を離れて、絵を見たら心が動く。自分の奥の涙腺とつながる。
 そこがすごくて、見てほしいなと思う理由なのです。








 
posted by 石塚とも at 16:58| 映画がらみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする