2022年5月2日配信分の転載です。
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・昔の話が好きな人
・ウンチク話が好きな人
などです。
(そんな人いなさそう!(爆))
皆さんはアボカドが好きですか?
わたしは、好きなときと嫌いなときが、体調や気分で分かれます。
カロリー不足のときは欲しくなりますが、
あぶらっこすぎる、と感じるときもあります。
あきらかに日本土着の作物ではないとわかりますが、
サラダや寿司ネタとして日本食と相性がいいですし、
メキシコ料理や、アボカドトーストなどで、知らない人はいなくなりました。
さて、そのアボカドを、日本で最初に紹介した人は誰でしょう?
日本全部の文献をあたったわけではもちろんないのですが、
わたしは、伊丹十三さんだと思います。
1968年に彼が書いたエッセイでのことです。
もっと古い記録がないとは言い切れないですが、
日本のアボカド輸入量は1970年後半までは微々たるものだったそうなので、
彼が日本にアボカドを紹介してから10年間も、
アボカドは日本でほとんど知られることのない果実だったということになります。
伊丹十三さんは多才かつ食通な方で、
アボカドの紹介の仕方もいかにも通です。
その果物が、映画007シリーズの中で、
ジェームズ・ボンドがボンド・ガールと
食事をするときにガールが前菜として食べる不思議な果物として紹介しています。
その原文が今手元にないので検索したところ、
原文そのものは出てこなかったのですが、
2020年に東京プリンスホテルが「ジェームズ・ボンドの世界観を表現したディナー」
というのを提供し、このアボカドがメニューに登場したようです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000200.000016677.html
アボカドを半分に割って、その中にレモン汁、オリーブ・オイル、塩、胡椒だけを
入れ、崩しながら食べる、というもの。
上記の記事によると、このシンプルなレシピは
ジェームズ・ボンドの上司Mがメンバーだった「プレイズ・クラブ」の
メニューだった、という設定で、『カジノ・ロワイヤル』の原作に出てくるそうです。
『カジノ・ロワイヤル』の原作小説の初版は1953年で、
当時は、イギリスでもまだ庶民は見たことがないような果物でした。
「アボカド」という名前も定着しておらず、
当時は、「アリゲーター・ペア」と読んだのだそうです。
これを和訳した「鰐梨(わになし)」が
アボカドの和名になります。
伊丹さんも「鰐梨」という名前を紹介しています。
この伊丹十三さんのエッセイは、それ以外にも
「イギリス流きゅうりのサンドイッチの作り方」
(パンに塗るのはバターであって、絶対にマヨネーズであってはならない)
とか、
「スパゲッティというものは、『アル・デンテ(歯に当たる、の意味』に
茹でなければいけない」
とか、
「クレソンをヴィネグレットであえただけのサラダ」
とか、
当時の日本人が聞いたこともないような西洋の見聞を
次々と披露されました。
さて、別にアボカドが大好物というわけでもないわたしが
なんでアボカドの話を書こうと思ったかというと、
このメルマガを17号まで配信してきましたが、
今までも、これからも、
好きなようにネタを選んでいくと、
今後もあまりポピュラーな内容が書けないような気がしてきまして…。
伊丹さんが紹介した「アル・デンテ」を
中学生の時に初めて読んだわたしは、
「そうか!」と思い、歯に少し芯があたるスパゲティを作って
家族にふるまい、家族中から大ブーイングを受けたことを
今でも恨みがましく覚えています^^;;;
あの頃も、今も、わたしは、ただ、自分が「おいしい」「便利だ」
「こういうものを探していた」
と思うことを
追求したらそうなっちゃってるだけなんですけどね^^;;
でも、読者の方から、
「ともさんがブログやメルマガに書いてたことが、
2年ぐらいたってから、自分の生活でブームになることが多い」
と言っていただいたこともあるので、
もうちょっとたったら役立つことがあるかもしれない、
と思っていただけるとありがたく思います。
さて、伊丹さんと鰐梨のエッセイに話を戻しますと、
このエッセイは当時のベスト・セラーになったのですが、
「アル・デンテ」や「アボカド」を紹介したから
ヒットした、わけではなく、
今でも語り継がれるような(ブログで結構書いている人がいる)
ヒットになったのは、その戦略的なタイトルの
せいだったと思います。
このエッセイ集のタイトルを『女たちよ!』といいます。
このエッセイ集は、アルデンテやアボカドを紹介したあと、
最後に、それまでのエッセイとはなんの関係ないような一文で終わります。
「この本に書かれた内容を実践してくれるような
30歳年下の妻を探している。
でも、無理だな、その計算どおりにすると彼女は3歳ということになってしまう」
エッセイの本文は、別に女性だけが対象というわけではなく、
おいしい料理の話なら誰でもウェルカムという感じなのに、
なんでこんな構成にしちゃったのか、わたしは不思議でした。
伊丹さんは、『女たちよ!』を出版した翌年の1969年に
12歳年下の女優の宮本信子さんと結婚します。
年下ではありますが、25歳だったので、特別未熟な妻、というわけでもありません。
伊丹さんとのあいだに子どもをもうけ、
子育てが一段落した15年後の1984年に、
伊丹さんの監督した映画『お葬式』に主演し、大ブレイク。
伊丹さんは、このあと、宮本さんを主演に、『マルサの女』『タンポポ』
『ミンボーの女』などで
日本中を巻き込む大ヒットを飛ばしていきます。
いまでいうと宮崎駿みたいなヒットメーカーだったんです。
その大ブレイク作品『お葬式』は、
登場人物が、「この世の食べ納め?」とばかり
アボカドを二つに割り、しょうゆを入れて、
夢中で食べるシーンから始まるそうです。
1968年に日本の誰からもピンと来ない食べものだった「わになし」は、
15年後に、伊丹さんの手によって全国区にまでなったのですね。
(映画の中では「贅沢品」という位置づけだったけど)
わたしも自分が好きでおいしくて「ローフード、ローフード」言ってたら
突然事態が進展して本になっちゃった、という経験をしているし、
これからの人生も、またそういうことがあるかな。
なお、アボカドは、栽培するとものすごく環境に悪い植物と言われていて、
果実の栄養価が高い分、植えられた土地の栄養を吸収しつくして、
そのあと作物が育たなくしてしまうのだそうです。
また、生産・流通で発生する二酸化炭素の排出量が、
バナナの2倍、コーヒーの3倍だそうです。
栽培することによって干ばつによる森林破壊を引き起こしやすく、
しかし、利益が高いので、産地南米のマフィアが、
麻薬ビジネスからアボカドビジネスに乗り換える例もあるらしい。
一方、ハワイなんかだと、民家の庭になっててぼとぼと落ちてるそうですけどね。
おいしくて栄養価も高い、しかし遠い国の果物は、
いろいろ利権争いを生み出してしまうもののようです…。
今回のお話は、ここでおしまいです。
ご愛読いただきまして、まことにありがとうございました。
次回も楽しみにしていただけるように、頑張ります!
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