セドナできくちゆみちゃんから「ローフードの本を書きなよ」といわれたとき、どうして私は受けたのだろう?
そのときの心情が複雑すぎて、本では「夢だったから」というような書き方をしたけど、今思い出してみると、「もう夢ではなくなっていたから」という方が近いかもしれません。
最近になって、ゆみちゃんにそういったら「ええ? 夢じゃなかったの?」と、ちょっと悲しそうな顔をされちゃったんだけど(ゆみちゃんは、私の夢の実現を手伝いたかったから)、でも、本当に夢ではなかったのです。
ちょっとややこしいけど、これが夢だったら、決してこんなおおごとにはならなかったと思うんです(来週の月曜日に3刷が出来上がります)。ああもう、そんなのいいやと思ったら、かえって、「本だしなよ〜、絶対みんなに喜んでもらえる本になるよ〜」という人が現れて、こんなことになっちゃった。
(うーん、ここ、今から本を書きなおしたくなってきた^^;)
で、そんなにやる気がなかった私がどうしてイエスになったかといえば……「そうするようになってたから」というのが一番近いです。
今上映中の、今年アカデミー賞をとった映画「
スラムドッグ$ミリオネア」で、最初のシーンに「主人公はなぜ答えを知っていたのか?」という問いが字幕で出て
It is written.
これの日本語訳が(運命だったから)ってなってるんだけど、これに近い。
制作進行や流通面でたくさん面倒臭いことが起こるだろうなあ、とか、サラダとチョコムースの作り方しか知らない自分が本なんか書いていいのかよ、とか、いろいろ不安要素はそのときからわかっていました(引き寄せの法則的に全部現実化しています^^;)。でも、それを全部引き受けるだけの準備が自分の中にできていた。その力が自分の背中をやっていくように何かに後押しされた、という感じでした。
とはいえ、毎日サラダとチョコムースだけ作っているわけにもいきません。
私はそのとき、たった2冊しかレシピの本を持っていませんでした。それが、2007年のraw spirit festival で買った2冊の本、Rawvolution と raw foods for busy people です。
帰りの飛行機の中で夢中になって読み、フライト・アテンダントのお姉さんにも、サラダを出してもらうとき、「私、ローフーディストなの」と鼻たーかだかに本を見せたのを覚えています。
なかでも、「raw foods for busy people 」は、毎日違うものを作って本にヴァラエティーを見せないといけない私に、どれだけ助けになったかわかりません。
前の夜、夕食の終わった後、レシピブックを眺めて、どれを作るか決めて、材料の分量を調整して……、ということの繰り返しだったように思います。
そのままいったら、ピンクの本全部のレシピが、ビジーピープルのものになってしまいそうでした。
「そんなに作りやすいなら、いっそ、この本を翻訳して、日本の読者に紹介してしまえばいいのではないか? きっと日本の人も、次にローの、簡単で毎日作れるレシピを必要とするだろうから」
私は突然そう思いつきます。そして、ジョーダンにメールをしてみたところ、あまりにもあっさりと「OK]の返事をもらったのです。
この本はもともと、ジョーダンが自分のお客さん(彼女はローフードのケータリングサービスをしています)のために、書いた「本」というよりは「小冊子」で、彼女の自費出版です。これも幸いしました。翻訳書というのは、あちらの出版社と版権契約するときにエージェントを通したりしなくちゃいけなくて面倒くさいのですが、ジョーダンの場合は彼女が版元ですから、彼女が「OK]といえば話はそれで本当にOKだったのです。
どうしてそこまで彼女のレシピ本にひかれたかというと、レシピの姿勢が私が考えていることとほぼ同じだったからです。
5周年記念エディションのまえがきで、彼女自身が語ってくれています。
2004年の夏に「ローフード・フォー・ビジー・ピープル」が初めて出版されたときというのは、それ以前に出版されていたローのレシピ・ブックからの新たな脱却といえるものでした。「ビジー・ピープル」のレシピはシンプルなものでしたが、かといって「ありきたり」とか「単調」だというほどシンプルすぎはしませんでした。当時簡単なレシピ・ブックはすでに存在はしていたのですが、タイトルに掲げたような人々、つまり「忙しい人」をターゲットにしたものはありませんでした。 ローフードのレシピ本は、二つの種類に分かれてしまっていました。一つめは、こうした深刻な病気を持つ人のために「食養生」として書かれたもの。これは、たとえば家で育てたスプラウトだけをひたすら食べるとか、味付けはなんでもリキッド・アミノ(註・ローフードで使われる調味料)一辺倒とか、「おいしい」ということは二の次で一つのことを単調に繰り返すものでした。
そしてもう一つは、ローフードを取り入れる人は生活を楽しむためにそうするのだから、非常に手の込んだレシピを知りたいはずだ、とするものです。したがってそれらは、人気のある加熱料理を真似したメニューを含んでいたのです。たとえば、ポルトベーロ・ミートローフ、ポット・パイ、チョコレート・ケーキなど。
どちらのケースにしても、結局とても手がかかることになり、「私には無理だわ」とおじけさせるようなレシピ本や料理教室を生み出す結果を招いてしまいました。 もしも毎日ローフードを続けたいなら、毎日の料理に手がかからないだけでなく、それを学ぶ時間も短時間であれば、取り入れやすい、という私の考えが、この本を作りたいと思った発端なのです。それは、私自身の切実な願いだったからです。本を1冊読んで、DVD1本見たら、明日からローフードの調理が当たり前になっているような。
メディア・パーソンというのは、そういうことを人にお伝えするのを嬉々としてやっちゃう人なのです。
ところで、5周年記念バージョンを読んで、私はさらにびっくりしました。ローフードに関わる姿勢、ローフードを人生に持ち込むということに関して、これほど、私と同じ言葉で語れる人に出会ったことはありませんでした。「こつはお気楽、おおざっぱ」という姿勢が売りのジョーダンに、こんな一面があるなんて、最初のバージョンを読んだときは思いもしませんでした。人間というのは、同じストーリーをもっている人間が、どんなに表面に出さなくてもわかっちゃうものなんですかね。
今日、テキストのまとめが終わって、次のステップ(本の体裁を作る)に進み始めました。これが、written なものなら、きっとどこかに
喜んで使い倒してくれる人がいることでしょう。(←これがこの本のおすすめの使い方です^^)
5月15日のメディRの講座の時に披露したDVDを見て、さっそくひよこさんが作ってくれたミール。いやー、あのDVDは衝撃的に簡単でしたね(全員大爆笑)
http://hiyokonorawfood.blogspot.com/2009/05/blog-post_9453.html
↑デザイナーの堀込さんにお出ししたランチ。あ〜黒いお皿にのりが見えない〜。のり巻きの中身は、ひまわりパテに豆のスプラウトを刻み込んだチャンキーなもの。アスパラガスとそらまめは、塩とオリーブオイルだけのマリネです。
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