リクエストもいただいてました。
お待たせしました。
すい臓という臓器の特殊性と重要性についての考察。
今までの記事はこちら。
消化酵素の供給源であり、
胃の後ろに潜む小さなもの言わぬ臓器であり、
知名度が低く、
それなのにガンにかかると8割助からない「ガンの王様」
といわれる、不思議な臓器、すい臓。
そして、そのすい臓ガンから生還した人の中に、
この人がいます。
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2010年08月07日
2010年04月21日
すい臓 5
みなさま、こんにちは。
やっと、書きかけの、すい臓のお話です(前回まではこちら)。
おさらいしておくと、
・すい臓は、三大栄養素の消化酵素と、インシュリンなどのホルモンの分泌をつかさどる、消化のために重要な器官である。
・生食とすい臓の疲弊の関係は示唆されている。何千年も加熱食を食べてきた人間のすい臓は、野生動物との体重比に比べて3倍も肥大している。生食で育ってきたマウスに加熱食を与えると、すい臓は肥大し、生食に戻すとすい臓の大きさも元に戻る、という実験結果がある。
・そのすい臓、ガンになると、発見が遅く、進行が早く、滅法予後が悪く、「タバコ=肺ガン」のようなリスク・ファクターが見つからないことから、「ガンの王様」と呼ばれている。
さてさて、そのすい臓。今回は、実験科学からははずれた話になっていきます。そこから先は、私の思索です。
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やっと、書きかけの、すい臓のお話です(前回まではこちら)。
おさらいしておくと、
・すい臓は、三大栄養素の消化酵素と、インシュリンなどのホルモンの分泌をつかさどる、消化のために重要な器官である。
・生食とすい臓の疲弊の関係は示唆されている。何千年も加熱食を食べてきた人間のすい臓は、野生動物との体重比に比べて3倍も肥大している。生食で育ってきたマウスに加熱食を与えると、すい臓は肥大し、生食に戻すとすい臓の大きさも元に戻る、という実験結果がある。
・そのすい臓、ガンになると、発見が遅く、進行が早く、滅法予後が悪く、「タバコ=肺ガン」のようなリスク・ファクターが見つからないことから、「ガンの王様」と呼ばれている。
さてさて、そのすい臓。今回は、実験科学からははずれた話になっていきます。そこから先は、私の思索です。
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2010年03月19日
すい臓 4 (なぜすい臓ガンは「ガンの王様」といわれるのか) #rawfoodjp
人間の主要な消化液を分泌し、動物実験によると、生食と加熱食では消耗の具合に大きな違いが見られるというすい臓。(前回まではこちら)
思いっきり長期連載になってきたので、何かのお役に立てればいいのですが……。
さて、このすい臓のお話は、あるお医者さんに取材をしているときに降りてきた(というか、つながった)のです。
ローフードの栄養についていろいろ調べていますが、ローフードを推奨する医師や教育機関だけでなく、ごく普通のお医者さんの意見も聞いています。
「何が食い違っているのか」
「何が知られていて、何が知られていないのか」
「『お医者さん』というのは、何を学んで何をする存在なのか」
にも興味があるからです。
いわゆる「代替医療」が否定しがちな「近代科学医療」とはそもそも何をするのか? 基本的な確認もしたいと思ったのですね。
今回、このお話をしてくださったお医者さんは、消化器が専門ではないのですが、逆に、医学部というのは課程でどういう勉強をして、専門でなくても医学部の常識として何を知っていて、何が専門家以外にはわからないのか、といった、興味深いお話をしてくださいました。
そして、すい臓ガンが「ガンの王様」と呼ばれる5つの理由、それに、すい臓ガンにまつわる、ちょっと不思議な話をしてくださったのです。
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思いっきり長期連載になってきたので、何かのお役に立てればいいのですが……。
さて、このすい臓のお話は、あるお医者さんに取材をしているときに降りてきた(というか、つながった)のです。
ローフードの栄養についていろいろ調べていますが、ローフードを推奨する医師や教育機関だけでなく、ごく普通のお医者さんの意見も聞いています。
「何が食い違っているのか」
「何が知られていて、何が知られていないのか」
「『お医者さん』というのは、何を学んで何をする存在なのか」
にも興味があるからです。
いわゆる「代替医療」が否定しがちな「近代科学医療」とはそもそも何をするのか? 基本的な確認もしたいと思ったのですね。
今回、このお話をしてくださったお医者さんは、消化器が専門ではないのですが、逆に、医学部というのは課程でどういう勉強をして、専門でなくても医学部の常識として何を知っていて、何が専門家以外にはわからないのか、といった、興味深いお話をしてくださいました。
そして、すい臓ガンが「ガンの王様」と呼ばれる5つの理由、それに、すい臓ガンにまつわる、ちょっと不思議な話をしてくださったのです。
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2010年03月03日
すい臓 3 #rawfood
ローフード(消化に負担がかからない食べもの)を食べていると、消化器は自然と適応する、とくに、野生動物に比べて大量の消化酵素を分泌しているために肥大が初期値になってしまっているすい臓は、休めるので機能がコンパクト化する(かもしれない)、というお話。
前回までは→こちら
実際におなかの中を開いてみたわけではないので、なんともいえませんが、いつか調べてみたい気もします^^。
というわけで、個別例は、私のすい臓にカメラをあてた日に譲るとして、「すい臓」の一般論に戻ります。
おさらいすると、
・すい臓は、たんぱく質、炭水化物、脂肪の三大栄養素を分解する消化酵素や、血糖値をコントロールするインシュリンなどのホルモンを分泌する、重要な消化器である。
・にもかかわらず、その重要性が知られていない。(たとえば東洋医学でも、「すい臓」は「胃」と同じ消化器として、一つの経絡に入れられてしまうそうです。横浜の己敬堂さんは、すい臓の位置を整える『すい臓コンシャス』な施術をされるそうですが。いろいろ情報くださった皆様、ありがおつございます)
というわけで、消化器として超重要なわりに、非常に扱いが地味な「すい臓」ですが、実は、本当に現代人の健康に非常に大きな影響を及ぼしている器官でもあります。
なにしろ、そんなに知られていないのに、すい臓がんは日本人がかかりやすいがんの一つで、死亡者数でみると、たとえば、女性のすい臓がんは、乳がんより多いのですから。
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前回までは→こちら
実際におなかの中を開いてみたわけではないので、なんともいえませんが、いつか調べてみたい気もします^^。
というわけで、個別例は、私のすい臓にカメラをあてた日に譲るとして、「すい臓」の一般論に戻ります。
おさらいすると、
・すい臓は、たんぱく質、炭水化物、脂肪の三大栄養素を分解する消化酵素や、血糖値をコントロールするインシュリンなどのホルモンを分泌する、重要な消化器である。
・にもかかわらず、その重要性が知られていない。(たとえば東洋医学でも、「すい臓」は「胃」と同じ消化器として、一つの経絡に入れられてしまうそうです。横浜の己敬堂さんは、すい臓の位置を整える『すい臓コンシャス』な施術をされるそうですが。いろいろ情報くださった皆様、ありがおつございます)
というわけで、消化器として超重要なわりに、非常に扱いが地味な「すい臓」ですが、実は、本当に現代人の健康に非常に大きな影響を及ぼしている器官でもあります。
なにしろ、そんなに知られていないのに、すい臓がんは日本人がかかりやすいがんの一つで、死亡者数でみると、たとえば、女性のすい臓がんは、乳がんより多いのですから。
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2010年02月19日
すい臓 2 #rawfood
哺乳動物の消化力を握っている鍵は「すい臓」であり、人間は野生動物に対して、体重比の3倍の肥大したすい臓を持っている。実験用のマウスも、加熱した餌を与えると、すい臓が肥大し、生食に戻すと元に戻る、という話の続き。前回はこちら。
少し、私の食生活を紹介します。
1月1日〜27日(上海に行くまで)の私の食生活は、ざっとこんな感じでした。
・朝
温州みかん(規格外品のためかなり小粒)5〜6個を使ったジュース
・昼
みかんジュース(朝に同じ)
サラダ野菜、(普通もり。ご飯茶わん2杯ぐらい?)
ナッツを使った、サラダ・クリーム
フラックス・シードを使った、半生タイプブレッド2〜3個
足りなければ、ローチョコ・ムース(キャロブとカカオ半々)
これでおなかいっぱい、で、
もしも足りなければ、
・夜も昼と同じ
ロー率は97パーセントぐらいで、この27日間で口にした加熱食は全部覚えているぐらい。
サラダ・クリームとチョコ・ムースを合わせて、1日のナッツ消費量が、カップ1/2ぐらい。
「小食」といっても、「鳥の餌をつつく」というようなささやかさじゃないし、ナッツの消費量もそこそこあると思いますが、前にも書きましたように、体調は最高。身体の中をがんがんエネルギーが流れる感じがしていました。
体重も48キロの前半、(最近は49キロの前半なことが多い)、という感じでした。
1月27日からの上海旅行は本当に楽しむつもりでしたので、加熱も含めてたくさん食べましたし、それはそれでオッケーです。
ただ、帰ってきてからがよくなかったです。1月前半の食事が、ロー率高いことに加えて、「単調」だったんですよね、ほぼ同じパターンの繰り返しでしたから。
「あれも食べたい、これも食べたい」というバリエーション欲が出てしまいまして……。
それにしても、あんなに具合が悪くなるとはなあ。おなじみ「野の葡萄」とかいっても、2杯ぐらい「まだまだいける」と思ったら、苦しいのなんの。脳みそで「腹8分目」と思った量(だって昨年なら食べてたから)が、今食べるとおなかぱんぱんになってしまう。
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少し、私の食生活を紹介します。
1月1日〜27日(上海に行くまで)の私の食生活は、ざっとこんな感じでした。
・朝
温州みかん(規格外品のためかなり小粒)5〜6個を使ったジュース
・昼
みかんジュース(朝に同じ)
サラダ野菜、(普通もり。ご飯茶わん2杯ぐらい?)
ナッツを使った、サラダ・クリーム
フラックス・シードを使った、半生タイプブレッド2〜3個
足りなければ、ローチョコ・ムース(キャロブとカカオ半々)
これでおなかいっぱい、で、
もしも足りなければ、
・夜も昼と同じ
ロー率は97パーセントぐらいで、この27日間で口にした加熱食は全部覚えているぐらい。
サラダ・クリームとチョコ・ムースを合わせて、1日のナッツ消費量が、カップ1/2ぐらい。
「小食」といっても、「鳥の餌をつつく」というようなささやかさじゃないし、ナッツの消費量もそこそこあると思いますが、前にも書きましたように、体調は最高。身体の中をがんがんエネルギーが流れる感じがしていました。
体重も48キロの前半、(最近は49キロの前半なことが多い)、という感じでした。
1月27日からの上海旅行は本当に楽しむつもりでしたので、加熱も含めてたくさん食べましたし、それはそれでオッケーです。
ただ、帰ってきてからがよくなかったです。1月前半の食事が、ロー率高いことに加えて、「単調」だったんですよね、ほぼ同じパターンの繰り返しでしたから。
「あれも食べたい、これも食べたい」というバリエーション欲が出てしまいまして……。
それにしても、あんなに具合が悪くなるとはなあ。おなじみ「野の葡萄」とかいっても、2杯ぐらい「まだまだいける」と思ったら、苦しいのなんの。脳みそで「腹8分目」と思った量(だって昨年なら食べてたから)が、今食べるとおなかぱんぱんになってしまう。
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2010年02月10日
すい臓 1
アリゾナ州パタゴニアでTree of Life Rejuvenation Center (生命の木機能回復センター、とでも訳せばいいかな?)を主宰するガブリエル・カズン医学博士のConscious Eating は、ローフードのみならず、アーユルヴェーダなど、健康的な食事について医学的に解説した、電話帳みたいに厚い本です。でも、英語は平易ですし、全部読まなくても学ぶことはたくさんあるので、手にとってみられることをおすすめします。(日本語版を出せたらいいのですが、江戸時代に「たーへる・あなとみあ」を翻訳した杉田玄白なみの覚悟が必要で、まだその決断に至っていません)。
とまれ。
ローフードの消化システムについても詳しく解説されているのですが、とても興味深かったのが、人間(動物)における「膵臓(すいぞう)」という器官の位置づけ。
すい臓は、とっても地味な器官です。まず、場所が地味(笑)。胃の後ろにあって、おなかを開いても正面から見ずらい場所にあります(これが、健康に重大な問題を及ぼすことになるのはのちほど書きます)。また、大きさが小さい。そして何をするのかみんなあまりよくわかっていない。お酒を飲みすぎたら、「肝臓が〜」食事を食べたら「胃が〜」とか、みんないうじゃない? でも、身体に悪いことしても「あ〜すい臓にきつい」とかって、あまり聞きません。
でも、消化の悪いものを食べたときや食べ過ぎたときに、大きな負担がかかっているのは、実はすい臓なのです。なぜならすい臓は消化酵素を分泌する最大の器官だからです。たんぱく質、炭水化物、脂肪の三大栄養素(なのか?)の消化酵素および、インスリンやグルカゴンといったホルモンも分泌します。→参考
消化を学ぶということは、すい臓を学ぶということでもあるのだと学びました。
Conscious Eatingでは、すい臓についておもしろい実験結果を紹介しています。(エドワード・ハウエル医学博士の研究結果によるものだそうです)
すい臓は脊椎動物にありますが、野生の動物に比べると、人間のすい臓は、体重に対する重さが、3倍の重量そうです。つまり人間は、野生動物に比べて、デフォルトが「すい臓肥大」の状態なのだそうです。
そして、実験用のねずみに加熱した食事を与え続けると、ねずみのすい臓は、人間と同じ体重比(つまり3倍)に肥大するのだそうです。そして、食事を生食に戻すと、ねずみのすい臓はまた普通の大きさに戻るのだそうです。
すい臓は、1日に500ml〜1000mlものすい液を分泌するそうです。みんながよく持ち歩くペットボトル2本分ですから、すごいですよね。「消化の負担」というのは、つまりはこの毎日1リットルも分泌される消化液の負担、といえそうです。
そして、上記のねずみの実験から見られるように、、多量の消化酵素を分泌するように恒常的に強いられると、すい臓は、その要求にこたえようとして、肥大すると結論づけられています。 よく「酵素を使い果たす」という言い方がされますが、酵素を分泌する器官が消耗しておしゃかになる、というほうが正確であるようです。
(続く)
とまれ。
ローフードの消化システムについても詳しく解説されているのですが、とても興味深かったのが、人間(動物)における「膵臓(すいぞう)」という器官の位置づけ。
すい臓は、とっても地味な器官です。まず、場所が地味(笑)。胃の後ろにあって、おなかを開いても正面から見ずらい場所にあります(これが、健康に重大な問題を及ぼすことになるのはのちほど書きます)。また、大きさが小さい。そして何をするのかみんなあまりよくわかっていない。お酒を飲みすぎたら、「肝臓が〜」食事を食べたら「胃が〜」とか、みんないうじゃない? でも、身体に悪いことしても「あ〜すい臓にきつい」とかって、あまり聞きません。
でも、消化の悪いものを食べたときや食べ過ぎたときに、大きな負担がかかっているのは、実はすい臓なのです。なぜならすい臓は消化酵素を分泌する最大の器官だからです。たんぱく質、炭水化物、脂肪の三大栄養素(なのか?)の消化酵素および、インスリンやグルカゴンといったホルモンも分泌します。→参考
消化を学ぶということは、すい臓を学ぶということでもあるのだと学びました。
Conscious Eatingでは、すい臓についておもしろい実験結果を紹介しています。(エドワード・ハウエル医学博士の研究結果によるものだそうです)
すい臓は脊椎動物にありますが、野生の動物に比べると、人間のすい臓は、体重に対する重さが、3倍の重量そうです。つまり人間は、野生動物に比べて、デフォルトが「すい臓肥大」の状態なのだそうです。
そして、実験用のねずみに加熱した食事を与え続けると、ねずみのすい臓は、人間と同じ体重比(つまり3倍)に肥大するのだそうです。そして、食事を生食に戻すと、ねずみのすい臓はまた普通の大きさに戻るのだそうです。
すい臓は、1日に500ml〜1000mlものすい液を分泌するそうです。みんながよく持ち歩くペットボトル2本分ですから、すごいですよね。「消化の負担」というのは、つまりはこの毎日1リットルも分泌される消化液の負担、といえそうです。
そして、上記のねずみの実験から見られるように、、多量の消化酵素を分泌するように恒常的に強いられると、すい臓は、その要求にこたえようとして、肥大すると結論づけられています。 よく「酵素を使い果たす」という言い方がされますが、酵素を分泌する器官が消耗しておしゃかになる、というほうが正確であるようです。
(続く)